子どもの貧困と食格差―お腹いっぱい食べさせたい

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  • サイズ A5判/ページ数 136p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784272360918
  • NDC分類 369.4
  • Cコード C0036

出版社内容情報

栄養学的調査から、子どもの食格差と健康格差の拡大を示し、この状況を変えるために、すべての学校での完全な給食の実施を訴える。

序 章 子どもの食格差を考える(阿部彩)

第1章 子どもの食格差と家計(阿部彩)

 コラム 東京都足立区における「学校であさごはん」(阿部彩)

第2章 子どもの食格差と栄養(村山伸子)

 コラム フードバンク活動を通して、子どもたちに夢と希望を(米山けい子)

第3章 貧困がもたらす子どもの肥満格差(可知悠子)

 コラム  「こども宅食」から浮かび上がる、孤立した家庭の実情(菊川恵)

第4章  学校給食と子どもの貧困(鳫咲子)

 コラム 川崎市立中学校での完全給食実施に向けた取り組み(二瓶裕児)

 コラム 埼玉県越谷市における夏休みの学童保育室への給食提供(鳫咲子)

 コラム 埼玉県滑川町の給食費無償化(中村文夫)

あとがき(阿部彩)



阿部 彩[アベ アヤ]
編集

村山 伸子[ムラヤマ ノブコ]
編集

可知 悠子[カチ ユウコ]
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鳫 咲子[ガン サキコ]
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内容説明

栄養学的調査から、子どもの食格差と健康格差の実態を提示。NPOや自治体での子どもの「食」に関わる取り組みも紹介しつつ、すべての学校での完全な給食の実施を訴える。

目次

序章 子どもの食格差を考える(子どもの貧困対策の発進;子どもの食堂の広がりと限界 ほか)
第1章 子どもの食格差と家計(「相対的貧困」のなかの食;子どもの食格差の実態 ほか)
第2章 子どもの食格差と栄養(社会経済的要因と子どもの食事;日本における社会経済的要因による子どもの食格差の実態と学校給食の役割 ほか)
第3章 貧困がもたらす子どもの肥満格差(子どもの肥満と予防の重要性;貧困による子どもの肥満格差 ほか)
第4章 学校給食と子どもの貧困(学校給食の歴史;給食格差 ほか)

著者等紹介

阿部彩[アベアヤ]
首都大学東京都市教養学部教授。子ども・若者貧困研究センター長(社会政策)

村山伸子[ムラヤマノブコ]
新潟県立大学人間生活学部長。健康栄養学科教授(公衆栄養学・国際栄養学)

可知悠子[カチユウコ]
北里大学医学部公衆衛生学講師(衛生学公衆衛生学)

鳫咲子[ガンサキコ]
跡見学園女子大学マネジメント学部教授(行政学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

37
子どもの7人に1人が貧困状態にあるとされているなかで、子どもの食はどのような状態なのか、本著では食格差やそこから見える健康格差について考察された内容となっています。義務教育下では、学校給食の役割は大変大きなものがあると思いました。また足立区のように朝食を保障する取り組みも重要だと思います。孤食の問題もありますが、学校だけではなく子ども食堂や学童保育など地域の子どもをめぐる様々な社会資源のなかで食を位置付けていくことが大切だと思いました。公的保障として食を考えることが重要だと思います。2018/05/17

テツ

27
いい年こいた大人がゴミみたいな人生を歩んでいるのは本人の選択なんだろうからどうでもいいけれど、否応なく貧困に巻き込まれ満足に食事も取れないようなこどもには手を差し伸べなくてはいけない。この現代日本に経済的な問題で腹一杯メシを食うことができないこどもたちがいるという現実に打ちのめされる。体力と知力を大人がしっかり育ててやらなくちゃこどもは自分では何もできない。こども食堂でメシをしっかり食べてまずは身体を作ることの大切さ。近所にこども食堂があるのなら探してみよう。手助けできることがあればさせて貰おう。2018/12/03

6
題名から真っ先に国家間での食格差を想像した。しかし、この本の主題は日本の児童における食格差の問題であった。こんなにも身近で、そして決して少なくない家庭が貧困に苦しんでいる現実があるのだ。食事を「スキル」と捉える見方は新しかった。セルフコンディショニングが求められるようになるということは、同時に自分の身体を安定させ、能力を最大限に発揮できるような食生活の自立も意味するのである。その観点からいうと、食に関する知識や経験は「スキル」となって自己管理に欠かせない能力だと考えられる。その基盤が作られる→2021/06/24

aoi

5
各地で開催されていた子ども食堂がコロナ流行や戦争による物価上昇により運営が厳しくなっているという新聞記事を見てから気になって読んだ。 子どもに限らず貧困と食格差は切り離せない問題だ、食育や生活スキルが身につかないと生涯自分の健康維持の方法が分からずQOL低下を招く。 子ども食堂も素敵だけど独居高齢者に対しても栄養のある食事を安価で食べれるような制度が出来て欲しい。 ボランティアに頼るのではなく国がしっかり経費を出して欲しい。 阿部彩・村山伸子・可知悠子・鳫咲子(2018)「子どもの貧困と食格差」大月書店2022/06/08

shushu

4
心身の成長のために十分な食事が取れない、栄養について知識を学ぶことができない子どもたちが増えている。給食がない夏休み明けに体重が減ってしまう子どもがいる、ということはかなり以前に某23区の職員の方から聞いたことがあったが、近年広く知られるようになってきた。所謂「食育」だけではなく、栄養を取るという面でも給食の果たす役割は大きい。すべての子どもが必要な栄養を取り、心身ともに成長し、教育を受けることができるよう準備するのは大人の役割だと思う。2018/05/20

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