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中国最後の証言者たち―沈黙の世代が初めて語る激動の二〇世紀

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  • サイズ B6判/ページ数 509p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784270006696
  • NDC分類 282.2
  • Cコード C0022

出版社内容情報

長征、人民共和国誕生、文化大革命……激動の20世紀中国を生き抜いた無名の生き証人の証言を集めたオーラルヒストリーの白眉

「長征」に参加した経験を始めて明かす90歳の老人、中華人民共和国建国と同時に人民解放軍に参加し「対外関係」の秘密部隊で働いた女性将軍、建国以来40年間河南省警察に勤務して反革命分子の摘発に携わった元警官、「世界最大の牢獄」と呼ばれる新疆ウィグル自治区の建設兵団で国境警備とゴビ砂漠開発に苦労した漢人夫妻、国家のために地を這うようにして油田を探しだし労働英雄になった科学者夫妻、文化大革命の嵐に耐えて伝統の技術を守った女性曲芸師や灯篭作り……
激動の20世紀中国を生き抜き、歴史の一端を目のあたりにしてきた人々もすでに高齢化している。このままでは語り継がれるべき歴史が消えてしまうと危惧した著者は、長年にもわたるリサーチをもとに、「歴史の目撃者」たちを探し出しインタビューを行った。数多の暴力や抑圧を経験した彼らの口は重かったが、次世代への遺言としてぜひ語ってほしいと説得する著者の熱意にほだされ、これまで誰にも明かすことのなかった貴重な体験談を語り始めた……
毛沢東は本当に長征に参加していたか? など、正史には書かれない真実が明らかにされる。30ヵ国語に翻訳され、欧米社会に衝撃を与えたオーラル・ヒストリーの白眉。

初めに
第一章 興義の薬草売り(薬婆婆)のおばさん
第二章 林家族の二つの世代――伝説の呪い
第三章 世界最大の牢獄、新疆ウイグル自治区での新発見
 幕間1――北西部のタクシー運転手へのインタビュー
第四章 中国の石油開発の先駆者――有名な夫婦
第五章 曲芸――反革命分子の娘から国家的メダルの受賞者まで
 幕間2――中国の同僚と、チベット、風習、老虎竈、中国のユダヤ人について語る
第六章 茶店と情報伝達者──三〇〇〇年の逸話と不思議
第七章 伝統工芸を続ける――秦淮灯の灯籠作りたち
第八章 山を越え草原を渡って――長征の証言者
第九章 アメリカ生まれの女性将軍
 幕間3――間接的な感想
第一〇章 警察官――中華人民共和国が設立されたときに警察に入る。
第一一章 靴修理の母親――二八年間、風雨の中でも街角で働く
 幕間4――五四運動記念日の騒動
 あとがき──私の祖国のイメージ

【著者紹介】
1958年、北京生まれ。富裕な家庭で育ったが、7歳のときに文化大革命のために一家は離散する。軍事大学を卒業後、ラジオ・ジャーナリストになる。1989年から97年まで、ラジオのキャスターとして「夜風の言葉」という番組を担当、各地から女性のゲストを呼んでその境遇を語らせる内容で人気を集めた。97年にロンドンヘ移住。掃除人をしながら、「夜風の言葉」をもとにしたThe Good Women of Chinaを出版、話題を呼ぶ。その後、小説Sky Burialなど3作を刊行、同時にガーディアン紙に連載コラムを執筆。本書は彼女の第5作目にあたり、20年に及ぶリサーチをもとに書き上げたもので、タイムズ紙で「オーラル・ヒストリーのマドンナ」と絶賛されベストセラーとなった。

内容説明

「毛沢東は本当に長征に参加したのか?」「反革命分子の摘発は誰が、どのように行ったのか?」―。長征、人民共和国建国、文化大革命…、激動の歴史の真実を目の当たりにしながら強い警戒心から沈黙を守ってきた人々が、いまようやく重い口を開いて語り始める。

目次

興義の薬草売りのおばさん
林家族の二つの時代―伝説の呪い
世界最大の牢獄―新疆ウイグル自治区での新発見
中国の石油開発の先駆者―有名な夫婦
曲芸―反革命分子の娘から国家的メダルの受賞者に
茶店とニュースを「歌う」人―三〇〇〇年の逸話と不思議
伝統工芸を続ける―秦淮灯の灯籠作りたち
山を越え草原を渡って―長征の証言者
アメリカ生まれの女性将軍
警察官―中華人民共和国建国時に警察に入る
靴修理の母親―二八年間、風雨の中でも街角で働く

著者等紹介

欣然[シンラン]
1958年、北京生まれ。富裕な家庭で育ったが、7歳のときに文化大革命のために一家は離散する。軍事大学を卒業後、ラジオ・ジャーナリストになる。1989年から97年までキャスターとして「軽風夜話」というラジオ番組を担当、各地から女性のゲストを呼んでその境遇を語らせる内容で人気を集めた。97年にロンドンへ移住。掃除人をしながら、「軽風夜話」をもとにしたThe Good Women of Chinaを出版、話題を呼ぶ

中谷和男[ナカタニカズオ]
東京外国語大学卒業後、NHKに入局。20年間外国特派員を務め、ヨーロッパ・アラブ・アフリカ総局長(パリ)を最後に退職し、文筆家として独立。2009年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ののまる

13
革命、抗日戦争、国共内紛、大躍進、文化大革命、経済開放…。激動の20世紀を生き抜いた(本人の口から普通に語られるエピソード一つ一つに絶句する)世代は、開放後の豊かな中国社会に暮らす子どもや孫の世代には、党に盲目的忠誠を捧げていた滑稽な世代と思われ、昔話もできず、社会の変化のスピードも速すぎ、共産党の言論統制によっても沈黙させられている。だがその苦難の人生について、後代に継承し忘れ去られるべきではないという著者の強い信念のもと、敢えて無名の庶民にインタビューした貴重な証言集。時々泣きそうになる。2016/05/26

西條風太郎

1
著者がイギリス在住の中国人女性で、歴史の中の女性問題に関心が高い様子。本書は一般人から共産党関係者まで、様々な人物へのインタビューで成り立っている。辺境の山賊みたいな人へのインタビューまで含まれていて、主に女性に焦点を当てているのだけれども、表舞台に出てくるマクロ的な歴史ではなく、ミクロの歴史を描き出すことによって、20世紀後半の中国史を具体的なディテールに富んだ物に認識させなおしてくれる。この一冊を読んでおくことは、今後中国関係の本を読むときにきっと役立つと思う。文章も非常に読みやすい。2011/12/12

果てなき冒険たまこ

0
長征、人民共和国建国、文化大革命。。 激動の歴史の真実を目の当たりにしながら強い警戒心から沈黙を守ってきた人々が、今ようやく重い口を開いて語り始める! というコピーとは逆に貧しさを乗りこえて生きてきた庶民たちの歴史の聞き書き。 全てを語っていないのが文面からも推測できるけどその隠された中にあるのはとてつもない「歴史」なんだろうなぁ。 三体からの興味で文化大革命を知ろうとして読み始めたけど余計にわからなくなる。 中国は、中国の人民は強いなぁ、それはどの国でも同じなんだろうけど。 2021/07/14

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