内容説明
2020年1月23日、1100万の大都市が突如封鎖された―!!そこではいったい何が起きていたのか!?29歳の女性ソーシャルワーカーが綴った封鎖下の都市の真実の記録!
目次
第1章 都市は瞬く間に動きを止めた
第2章 封鎖の中で新たに自分の居場所を探す
第3章 閉じ込められても、立ち止まるわけにはいかない
第4章 生きていることは、偶然の幸運に過ぎない
第5章 これが最後の外出かも
第6章 いま何が足りない?「自由」
第7章 許可されてようやく外出できる身となる
第8章 出ることのできない封鎖生活
第9章 家にいられるのは「幸運」、でも「幸福」ではない
第10章 声を上げよう
後記―一縷の希望をつなぐように、最後の一つの唐辛子を取っておく
著者等紹介
郭晶[カクショウ]
ソーシャルワーカー、フェミニズム活動家。1990年生まれ。雇用における性差別の撤廃と女性のための平等な雇用環境の構築を目指す「074法律顧問ホットライン」発起人の一人。2019年11月から武漢在住
稲畑耕一郎[イナハタコウイチロウ]
早稲田大学名誉教授、南京大学文学院客員教授。1948年、三重県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、大学院文学研究科博士課程満期退学。これまでに北京大学考古系訪問学者、南開大学東方芸術系客員教授、北京大学中国古文献研究センター兼任教授、早稲田大学中国古籍文化研究所所長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
70
先日、作家・方方の「武漢日記」を読んだが、こちらは、ソーシャルワーカーでフェミニズム活動家の書いた日記。NHKの放送を見ていて読みたかった。閉じ込められて、日々食べることの心配と友人たちとチャットで会話を繰り広げるくらい。方方ほど、体制側や管理者を責めるわけでもない。ただ、ここには、ロックダウンされた市民の日常があり、フェミニズム活動家としての女性の立場への憤りがある。残念なのは、台湾で出版された本の翻訳のため、3月1日までしか記載がない。ロックダウン終了までの日記を読みたいものだ。2020/10/28
ばんだねいっぺい
25
中国がまだ世界中にコロナが広がる最中に万歳を叫んだ意味が少しだけ理解できた。「火鍋」など、食べ物を求める力が生きる力に思えた。発信をすることで自らが小ワクチンとなるのは、まさに「ひとりでも社会運動」の実践で感銘を受けた。2020/10/26
マッピー
15
2020年1月23日から4月8日まで封鎖された武漢で暮らしていた女性が書いた日記です。ある日突然町が封鎖されます。 自分ができることは何かと考える。彼女は外に出て何人もの清掃作業員の人たちに、生活の様子や仕事について(社会保険の有無や、マスクなどの支給について)を尋ねます。そして、知りえたこと、考えたことを日記に書いてネットにアップします。人間は社会的な動物だから、一人で孤立するのはとてもつらいことです。同じ時代、同じ災害を、違う国ではどう対処していたのか。読んでみることに価値はあったと思います。2022/05/23
がらくたどん
13
いまだゴールの見えない感染症との対応のずいぶん前に思えるスタート地点でデジタル発信されその後母国語以外で紙の書籍として実体化された本書。書籍とその著者に対して失礼な態度に当たらないか悩みつつ「読みたい」というより「あるうちに手に入れておかねば」という気持ちで購入した本。最近ようやく目を通した。内容はブログの性質上身辺雑記が混ざりこむ思索の発信なので思索そのものを述べた論文より著者の感情が読み取りやすく追体験もしやすい。社会的な事情で保存が危うい発信を実体のある書籍にすることの意味を考えさせられた1冊。2021/04/09
ののまる
10
封鎖によって、個人がなくなり集団視されてしまう。そして個人はより孤独になる。2020/11/04