出版社内容情報
范増、劉邦を見て過ちを知る。
「なんと、全身からただよう強い運気……。この人こそまことに天子になるべき運を持っている。仕えるお方はこの方であった」
項羽は塗山に干英と桓楚を口説きに行く。廟の前にある鼎を押し倒し、もとに戻せば勇者と認めるといわれた項羽は、鼎を二度倒し、もとに戻すと、頭の上に持ち上げてみせた。
帰途、項羽は野生の暴れ馬を乗りこなし、烏スイという名をつけて自分の愛馬にし、虞姫を妻とした。会稽に十万をこえる人々がかけつけ、項軍は北進を開始する。英布が加わり、范増が軍師となった。
これに対し、章邯率いる二十万の軍団が鎮圧のために動き出した。
目次：
項羽の怪力／虞姫／黥布／楚の後継者／天運を持った男達／秦軍反撃／魏攻略／豪勇項羽／負けるが勝ち／精鋭健在／おごれる者の末路／悲報／長滞陣／宋義を討つ／背水の陣
付録
項羽と劉邦関連地図
三つの「背水の陣」 後閑英雄（作家）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
39
項羽がお嫁さんを貰うんですが、それが虞美人草でその名を残しているほどの美人の虞姫でビックリしました。英雄も美人には弱いらしいです。そして、この巻で初めて、項羽と劉邦が顔を合わせました。その後、項羽は叔父の項梁を秦に殺されて俄然やる気になり、背水の陣まで敷いて叔父の仇をとりに・・・勿論大勝利です。2010/11/10
べる
21
誰も動かせない鼎を持ち上げ、荒馬を簡単に手なづけ、英雄と認められた項羽が虞姫を妻としてもらう。秦を滅ぼすために生まれた男と噂が広がり十万を越える人々が集まる。范増を軍師として迎える。応援に駆けつけた劉邦と初めて顔を合わせる。この時点で范増は劉邦の強い運気を感じて仕えるべき人は劉邦だったと後悔する。戦いが始まり、秦は負け続けて楚兵が油断したところで一気に勝負を決するという戦法を取る。酔って戦えずして項梁は討たれた。復讐心に燃える項羽は、船と食糧を捨てさせ、前に出て戦うしか生き残れない方法を取る。背水の陣だ。2021/10/30
RX78
12
始皇帝亡き後、乱れた秦に項羽が反旗を翻す。そこに劉邦も合流。2020/12/10
T K
11
どんな優れた人でもおごりや油断がある、背水の陣のつもりで何事にも望む必要を感じた。2014/05/10
とんかつラバー
9
巨大鼎を持ち上げ、山賊を部下にし、荒馬を乗りこなす項羽。その豪腕ぶりに似合わず虞姫（虞美人）の前ではウブで呂布っぽい。圧政を敷く秦に対して項羽も劉邦も蜂起するが、やっぱり秦は強大なのであった。つーかこの時代人相だけで初対面の奴に娘をやったり、やる気なさげな奴を採用したり、人相どんだけ重要やねん。2021/10/08
