出版社内容情報
《内容》 人間存在の根底を規定しているのは「気づかい」というあり方である。このようなハイデガーの現象学的人間論の立場から,病気と健康という人間体験におけるストレスと対処について論じ,看護実践の根本条件をなす「気づかい」の諸相を,熟練看護婦によるすぐれた「範例」の中にいきいきと描く。『ベナー看護論』に続く待望の邦訳。 《目次》 一章 気づかいの第一犠牲 二章 人であるとはどういうことか 三章 ストレスと対処に関する現象学的な観方 四章 成人の人生諸局面における病気への対処 五章 健康の増進 六章 症状への対処 七章 冠状動脈疾患への対処 八章 癌への対処 九章 神経系の病気への対処 十章 看護という仕事への対処 他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポカホンタス
3
勉強会で読んだ。なかなかの大冊。「気づかい」こそ現象学であり、また看護でもある、という主張が貫かれている。事例も豊富。確かに、看護実践と現象学とは一心同体であることがよくわかる。同じ医療職でも、医師や技術職とも違う、看護という暗黒大陸(?)に現象学がうまく光を当ててくれる。それ自体がベナーの功績なのだろう。2019/06/01
りさ
2
"看護とは希望を持つとい深遠な営みなのです。"感情労働と比喩されることのある看護という仕事。仕事場は、人の生死をめぐる絶望感や無力感、不安などの感情の行き交う現場である。そうした感情を承認し、いかなる状況にあっても人間は自分の関心(何かを自分にとって大事だと思うこと)を通じてその状況下で可能な生き方を見出していける。つまり、喪失からの再生を支える仕事が看護だと私は改めて知った。2017/03/18
Miyako Otake
1
月1回の勉強会でこれを使いながら深く深く学んでいきます。ワクワク(*^o^*)2014/03/04