目次
第1章 十皿の料理(牛尾の赤ワイン煮;季節の野菜のエチュベ;仔羊のロースト;根セロリとリ・ド・ヴォーの煮込み;トリュフのかき卵;ソーモンのタルタルモンブラン;おこぜのポワレ;しそのスープ;えいとキャベツ;赤ピーマンのムース)
第2章 この十皿の料理は、僕の12年間のフランスの結実です
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
60
「コート・ドール」のシェフである著者・斉須政雄氏のお人柄がひしひしと伝わってくる良書でした。それをひと言で云うと「誠実」でしょう。また、物事を肯定的にとらえる姿勢、自分への逆風を他のせいにせず、自らが跳ね返そうとする姿勢を斉須氏に見ました。これは斉須氏の基本姿勢であり矜持でありましょう。さすがに斉須氏の思い入れのある料理だけに、読んでいて生唾ゴクリです。中でも「季節の野菜のエチュベ」は自分も作ってみたいと思いました。失敗してもおいしくできるまで挑戦しようと。どうやらこの本が気力を与えてくれたようです。2023/02/07
ぶんこ
44
どちらかというとフランス料理は苦手なのですが、著者の食に対する真摯な姿勢が伝わり、苦手と言うのがおこがましくなりました。印象的だったのが、食材がフランスでは濃くて、日本では薄い。野菜だけではなく魚までもがと知った事でした。また日本では塩ですが、フランスでは酢がキーポイントというのも驚きでした。フランス料理で酸味?あまり感じた事がなかっただけに新鮮。「簡単なレシピほど難しい」は、とても納得。鮨職人になりたかったのにフランス料理人への展開となって、自らに暗示をかけたのには、激しく共感。2016/05/16
せっかちーぬ
15
たまたま観た『理想的本箱』で紹介された本。素材を見極める。美味しいものは美味しいのだから、手をかけるのは最低限。丁寧過ぎると素材の力が出ない。一番美味しい調味料は水。朝ドラ『カムカムエブリバディ』のあんこのおまじないにも似てる。「小豆の声を聞け、何をして欲しいか、小豆が教えてくれる」手をかける人は必要だけど、手ばかり出さずに目をかけることの方が大事かも知れない。観察眼を養わねば。2022/04/03
真朝
13
斉須さんがとても真摯にフランス料理と向き合っているなと思いました。そして色んな事に感謝してるのが良いなと思いました。イヤな物はイヤって書いてますし(笑)読んでいてそこが面白かったです。 レシピは私は面倒臭いので創りませんがフランス料理を志す方には価値があると思います。 これがもう何十年も前に書かれたなんて思えない本でした。2022/11/25
けん
10
★3.0 『メニューは僕の誇りです』といくつか重複する箇所があった。けど、料理人らしさが最も出ている一冊で面白かった2019/10/20