内容説明
ヴィクトリア朝の残滓漂うイギリス社会/文化を新しい女、リスペクタビリティ、離村、存在の不安などの視点から読み解く。国内外の諸文献を網羅・紹介。
目次
1 批評の小景―原点と展開(「原点」としての『白孔雀』論=再考;『白孔雀』批評の広がり)
2 背景としての文化と社会―女性、労働者、農民(マドンナとマグダレンの間で―「新しい女」の背景にある母性の言説;『白孔雀』の中に描かれたピアノ―労働者階級のリスペクタビリティ;借地農サクストン家の人びとの行方)
3 遠景の諸相―意識、神話、自然(「時代の病」の表象―D.H.ロレンス、T.E.ロレンス、マックス・ヴェーバー;森の神殺しの物語―『白孔雀』と『ギルガメシュ叙事詩』;ネザミアの自然と内なる自然)