出版社内容情報
書道具セットを手にしたこどもたちの前にあらわれたのは、筆墨硯紙、文房四宝と呼ばれる4つの道具の精霊です。手をかけて作られ、古来より宝物とされてきたと誇る道具たちをつうじて、文字のなりたちや道具の歴史、アナログの道具だからこそうまれるゆとりや思いやり、書く喜びを親しみやすく描きます。表現の楽しさと言葉に心をこめる喜びを伝え、現代に輝く毛筆文化の価値を示した一冊です。
著者等紹介
青〓貴史[アオヤギタカシ]
東京都浅草生まれ。16歳より祖父保男、父彰男に作硯を師事。20代より中国大陸の作硯家との交流を経て、伝統的硯式の研究、再現製作に従事。日本、中国各地の石材を用いた作硯、文化財修復、復刻製作を専門とする。浅草「宝研堂」四代目製硯師。大東文化大学文学部書道学科講師
中川学[ナカガワガク]
浄土宗西山禅林寺派のお坊さんにしてイラストレーター。TIS会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chimako
84
これから書写を始める小学生にぴったりの絵本。書写の道具は独特で硯や墨は普段はお目にかからない。今では墨をする作業はカットされ墨汁を海に直接入れて使う。それはそれで便利だけれど「墨をする」のはなかなか楽しい行程だった。筆は筆ペンのみの暮らしが長いが、遥か昔、書道の塾に行っていた頃を思い出した。2021/10/14
しいたけ
79
写経の会に行くようになって興味を持った製硯師青柳貴史さん。小学校の習字の時間も墨汁を使うことが当たり前になり、プラスチックの硯まである今、硯の本来の姿を知ってもらいたいと作られた絵本。実際うちのホームにいる中学生に墨と硯の話をしたら、私の方が無知な人間とのていであしらわれてしまった。筆で文字を書く文化があるのはアジアのほんの一部だという。一年に一回でもいいから授業で墨をする経験をさせてやってほしい。2022/05/25
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
44
作者は製硯師(せいけんし)という硯を作る職人。筆・墨・紙・硯(すずり)の四つを「文房四宝」と呼ぶそうだ。知らない事が多く、とても勉強になった。日本の毛筆文化を大切にしていきたい。書道は苦手だけど、書道が得意な夫の本物の道具を貸してもらい、たまにはやってみようかしら。2022/03/13
mug
43
書道具について学べる絵本。 作者は、製硯師である青栁さん。 青栁さんらしき人が登場し、 解説してくれるのもまた良い😁 「文房四宝」の中で唯一控えめなすずりくん、 癒やされる~🥰 選ばれた石しか硯になれないなんて… そんな貴重なものだったとは、知らなかった💦 先日行った文具コーナーにて、すずりくんを発見。 👩「すずりくん、あったよ~♡」 👧「ほんとだ!…思ったより小さい😲」 確かに… 絵本の 半紙との比率を見ると、実物は小さい😂2022/06/26
ヒラP@ehon.gohon
37
硯作りが本業の方が、書道愛をこめて書かれた絵本です。書道の道具の説明、書の歴史、いろんな項目で解説されていて、勉強になりました。作者としては、書にもっと関心を持って欲しいでしょうね。 書道具たちが可愛かったです。2023/02/17