出版社内容情報
気をつけないと見つからない小さなツノゼミ。セミといいながらセミでなく、不思議なかたちで見る者をとりこにする虫。その理由は、身を守るために虫や植物、ものに似せていたり、毒があることを示したりしているから。けれども、まったく形の目的がわかっていない種がまだまだたくさんいる。さらに、アリなどと一緒に生きる種も見つかっている。そんな謎と不思議でいっぱいのツノゼミの世界に、貴重な生態写真で迫る一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
46
「ツノゼミ」という不思議な形態の昆虫の詳しい図鑑のご紹介に惹かれて手近な児童書から。っていうか児童用の写真絵本があるのに驚いた。もしかしたら隣のテーブルで親御さんに「こぼさないで」とか言われながらアイスをなめている少年は既にこの深遠なる進化を経た昆虫群の事を「ああツノゼミな～」みたいな感じで熟知しているかもしれない。大人は子どもを無根拠に侮ってはいけないな。などと考えながら楽しんだ。意味が分からないほどの多様性と「化ける」「逃げる」「アリに守ってもらう」という生態のちゃっかり感が同居するオモシロ昆虫です。2022/05/01
たまきら
42
アリの丸山先生がツノゼミ本も出していたと知ってワクワクしながら取り寄せました。表紙は新種ではなく、脱皮したての色。うんうん、セミ感があるなあ。なんでこんな頭？という答えの多くが「まったくわからない」。わはははは。こんなにたくさん色々なツノゼミの写真を見たのは初めて！この虫が小さくて良かった。大きかったら絶対違法取引されてるよ…。2023/09/21
tom
19
丸山宗利さんシリーズの三冊目。小さなツノゼミの写真集。体長5ミリ。大きな奴でも1センチ5ミリ。こんな虫のコレクション。姿かたちが独特で、しかも千差万別。ツノを持ってる奴もいるけれど、そうでないのも多々。地味なのもゴージャスなのも多々。残念なことに、日本産は地味な連中ばかりだけど、東南アジアの連中はすごい。それにしても、こんなに小さな虫たちの写真、どうやって撮ったのか不思議でならない。2020/06/20
itokake
14
この独特なツノは、成虫になる時ににゅーっと出てくる。その脱皮の過程が写真で紹介されている。そして、ハイライト部分、脱皮が終わって角がのびた状態が表紙。この一連の流れを見たくて、ネットで探したけど、見つけられなかったので嬉しい。幼虫と成虫の比較、ポロっとツノが取れる種など、ツノゼミの面白い部分をぎゅっと詰め込んだ珠玉の写真絵本。ネジレバネという妙な寄生昆虫がいて、ツノゼミも寄生されることがある。初めて聞いた不思議なムシ。気になる。ちょっと調べると、動画がいろいろ見つかって、グロいんだけどつい見てしまった。2022/06/09
遠い日
9
この目で見てみたい昆虫のひとつ、ツノゼミ。なんと日本にもわずか１５種ほどだが生息するという。小さな体とへんてこりんなフォルム。愛嬌のある虫。研究者が少ないことから、新種が続々発見されるというのも興味深い。名前のつけ方も、「まんま」が多い？「ズングリチビズキンツノゼミ」なんてどうよ！？2019/09/06
