内容説明
薬売りの時雨と、おともの小雨。病いにむきあい、旅を続けていくふたり。けもののふるまいを見せはじめた娘の生い立ち。はやり病いで全滅した村で悪人がねらうもの。まぼろしの動物がもたらす奇跡…。そして明らかになる時雨の秘密とは?
著者等紹介
楠章子[クスノキアキコ]
1974年、大阪府生まれ。第45回毎日児童小説・中学生向きにて優秀賞受賞。2005年、『神さまの住む町』(岩崎書店)でデビュー
トミイマサコ[トミイマサコ]
1980年生まれ。マンガ家、イラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
23
この時代、薬の持つ意味は、今以上に大きなものがあったのだと思う。薬を貧しい人に届けるだけなく、そこには、生きるための希望をも届けることにもなる。全4話の構成が、いい感じにもなっていて、これから、この二人がどうなっていくのかが、読んでみたいと思う。今の時代、こんな薬売りがいてくれたら、それこそ「まぼろしの・・・」なんだろうなあ~。こころを伝える薬売り。2017/05/07
星野
11
さらっと読了。なんだか最近薬続き。薬売りの短編連作集。全体的に薄めで、もっ、あともっちょい掘り下げたらいいのに!な印象。あと、個人的に薬売り(美人の方)の正体はわからないままの方が好みです。2014/02/11
バニラ風味
7
美形の男と少年が連れだって歩いていく。彼らは、行く先々で行商する薬売り。不思議な病、伝染病、そして不治の病…。人々とふれあいながら、今日も薬を売り歩く。トミイマサコさんの絵が、イイ雰囲気を醸し出している。タイトルにもある「まぼろし」感がもう少しあっても良いかも、と思うが、一気にサラっと読めて、ほろっとする部分もしっかりある。続編が出るといいなぁ。2013/07/15
ガリレオ
6
お母さんがすすめてくれたくれた本です(°▽°)皆、雨の名前だね。時雨や小雨や雷雨とか。優しいお話が多かった。「バカ吉の薬」が一番好きだった。本当にいろんな薬があるんだな。「柳行李」って何だろう?誰か教えて!!今は薬売りはいないのかな。2015/12/07
moon
6
薬売りの時雨と小雨。優しい話だけど、悲しみややるせなさも感じる。いい話でした。男として生きる時雨。陰ながら見守るお師匠さん。まだまだ謎も多いし、続き出てほしいな。2012/07/25