出版社内容情報
オレゴンの山に暮らすオオカミのスウィフトは、兄弟姉妹とともに豊かな土地で生まれて育った。大型の鹿も、家族一丸となって仕留め、飢える事なく暮らしていた。ある日、よその群れに襲撃され、家族を失い、かろうじて生き延びたスウィフトの旅が始まる。敵や人間の銃から逃れ、過酷な自然のなか、旅を続けてたどり着いたのは……?
1頭の若いオオカミの成長と冒険を美しい自然の描写を交えながらえがいた作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョゼ★マイペース出没@アイコン変更
49
児童書ですが、大人が読んでも凄く感動するお話だと思います。本当に泣けました。 このオオカミの旅を応援せずにはいられません。 ウルっときます。 同時にこちらが勇気をもらえたかなと思います。 このお話は実在するシンリンオオカミがモデルとなっているそうです。 巻末にオオカミや自然について解説があるのもとても良かったです。 話は逸れますが、近年は気候変動もあり様々な動物達が過酷な日々を送っていると思います。 そんな動物達が絶滅したりしないようにと願って、間接的であっても自分に出来ることをしたいです。2022/01/10
seacalf
46
読友さんの感想に惹かれて。素晴らしい作品だった。人間には計り知れない五感によって世界を読み取る狼視点が実に見事に語られるので、序盤からすぐに彼らに仲間意識を持ちながら読める。若々しい成長期からライバル狼達に家族の群れを四散され、気の遠くなるほど長い長い旅へと駆り立てられる道程がドラマチックに描かれている。ほぼ全ページにわたり美しい挿絵が入っているのがまた嬉しい。巻末には実際にモデルとなったシンリンオオカミの紹介と習性、物語の自然背景の図鑑並に詳しい解説付き。長年のアメリカ大陸への強い憧憬がさらに深まった。2024/02/17
そら
37
素晴らしい!!ブラボー👏👏👏!!児童書ですが、大人が読んで感動します!泣けて泣けて(>_<)。(最近、涙腺弱い、、。歳だな~💦)みんな、読んで~ヽ(^0^)ノ。めっちゃいいから!「生きろ、生きるんだ」「走れ、諦めるな、生きるんだ。」「ワンダー、旅する者だよ」「その瞬間、僕は仕留めた生命以上に、出会った生命に感謝していた。」2021/07/01
翔(かける)
20
美しい…素晴らしい物語だった。狼の誇り高さ、統率のとれた群れの美しさ、愛情深さが物語全体から感じられ、心の底から満たされる読書になった。主人公の狼が、生かしてくれる生命へ感謝を捧げる場面は、地球上に生きる者としての在り方を思い出させるもので、ハッと胸をつかれた。ほとんどのページに美しい狼の絵が描かれ、臨場感たっぷりに読むことができる。映像を観ているようだった。あとがきによると、実際に一頭の狼の足跡をたどり、生まれた作品らしい。狼をより好きになり、もっと彼らを深く理解したいと思った。2021/06/15
頼ちゃん
12
実際のオオカミに発信器をつけてわかった行動をもとに書かれた小説だそうだ。オオカミというとどうしてもロボを思い出すが、こんなに移動するものなんだな。絵もすごくいい。最後にオオカミの生態や北アメリカの自然についての詳しい解説がある。2020/08/12