内容説明
自分たちで描いた「原爆の図」を世界じゅうの人たちに見せてまわり、展示する場所をつくり、そこで生活をして、絵を描き続けた丸木俊。その、力いっぱいかけ抜けた人生をたどる。
目次
1 北国の少女
2 女絵描きになる
3 外国への旅
4 位里との出会い
5 新型爆弾
6 原爆を描く
7 旅する絵画
8 美術館をつくる
9 本当の戦争とは
10 やまんば会議
著者等紹介
岡村幸宣[オカムラユキノリ]
1974年生まれ。東京造形大学造形学部比較造形専攻卒業。同研究科修了。2001年より原爆の図丸木美術館に学芸員として勤務し、丸木位里・丸木俊夫妻を中心とした社会と芸術表現の関わりについての研究、展覧会の企画などを行っている。2016年第22回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
81
地元図書館新刊本。 偶然にもハムの日に読み終わった。 原爆の図…。あちこちの展覧会を渡り歩いたのですね。そしてアメリカにも…。家族をハワイで殺されたという女性の話はべたな話ながら刺さりました。後は日本軍は中国で悪行をしている絵画を日本国内で展示したら…、多分日の丸もった怖いおっちゃんが襲撃してきますね。原爆を落としたアメリカは確かに悪いのですが展示を許すだけ日本よりも民主主義が進んでいると言わざるを得ません。こんなところでも日本は負けたのですね。2023/08/06
ヒラP@ehon.gohon
22
「原爆の図」の痛烈な絵で印象が強い丸木俊ですが、彼女の描く絵は様々な顔をもっていて、共通するのは人間愛であり、郷土愛のような気がします。 そんな丸木俊が、いかに国際的であり、人間的であったかを知ることで、理解の幅が広がりました。 私の住んでいる市川とも近くの松戸とも縁があり、パラオに行ったこともあるという共通項で、身近にも思えました。 同時に、広島原爆に思う心、伝える心を、今一度刺激されました。 様々な人とのつながりにも関心が膨らみました。2023/07/12
おはなし会 芽ぶっく
11
丸木美術館は埼玉県東松山市にありますが、丸木俊さんの出身地北海道雨竜郡秩父別町には、生家の善性寺に「丸木位里・俊美術館」があります。「1992・原爆の図」の大屏風画からは鬼気迫るものを感じます。丸木俊さんの伝記といえるこちらの本は、俊さんを取り巻く人々(位里さんや妹の大道あやさんなど)との関りが書かれています。2023/05/14