出版社内容情報
江戸時代はじめ、角倉素庵たちの河川工事を見ていた少年吉田光由は、「たった5か月の工事で、船が来るなんて」と憧れを抱く。公共事業のためには算法を極めることが必要だと説かれた光由は、熱い気持ちを胸に学問に取り組み、やがて今も農業用水路として残る菖蒲谷隧道と、関孝和を生む江戸の数学ブームのきっかけとなった算法入門書『塵劫記』という大きな社会貢献を残した。激動の時代のなか志高く生きた歴史物語。
内容説明
七兵衛(後の光由)は、京都北嵯峨野の農民のために隧道(トンネル)を掘り、水を通す工事を成功させる。さらに、実際の仕事に役立つ数学の問題を次づきに考え、子どもでも楽しく学べる『塵劫記』を出版する。江戸時代の大ベストセラーを書いた、情熱と夢に満ちた吉田光由の物語。
目次
1 岩を焼いてくだく工事
2 二条京極のそろばん塾
3 バテレンの算法塾
4 別れ
5 大覚寺からの依頼
6 落盤事故を乗り越えて
7 『塵劫記』の誕生
8 生まれ変わった『塵劫記』
著者等紹介
鳴海風[ナルミフウ]
1953年新潟県生まれ。東北大学大学院機械工学専攻修了。博士(経営情報科学)、MBA(経営学修士)保有。江戸時代の数学「和算」を題材にした小説などを多く発表。1992年『円周率を計算した男』で第16回歴史文学賞、2006年日本数学会出版賞、『円周率の謎を追う 江戸の天才数学者・関孝和の挑戦』(くもん出版)が、第63回青少年読書感想文全国コンクール中学校の部課題図書
おとないちあき[オトナイチアキ]
一般文芸書など幅広いジャンルで、装画・挿し絵をてがけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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