出版社内容情報
町はずれにぽつんとたつ、小さな仕立て屋さん。ある日、店の前にたいこのばちが落ちていたので、「落とし物、おあずかりしています」と、はり紙をしたところ……、ばちをうけとりにきたのは、鬼の少年。つぎの日の夜にもたずねてきて、たいこをなおしてほしいというのですが……。
仕立て屋さんは、鬼の少年に、鬼の家の宝だという金の針をたくされ、天や森の仲間たちともかかわることに……。ふしぎで心あたたまる物語。
内容説明
町はずれの小さな仕立て屋さんのまえに、たいこのばちが落ちていました。落とし物のはり紙をしたところ…、雪のふる夜に、うけとりにきたのは、鬼の子。鬼の子は、たいこをなおしてほしいというのですが…。金の針がつむぐ、ふしぎな物語。
著者等紹介
茂市久美子[モイチクミコ]
岩手県生まれ。会社勤務を経て執筆活動に入り、『おちばおちばとんでいけ』(国土社)でひろすけ童話賞を受賞
こみねゆら[コミネユラ]
熊本県生まれ。東京藝術大学・大学院修了。留学先のフランスで絵本と人形の仕事をはじめる。『オルゴールのくるくるちゃん』(講談社)で第47回講談社出版文化賞絵本賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
107
仕立て屋の平井さんが雷の子共から預かった金の針。腕のいい人だけが使えるという。預かって以来続々と不思議なお客さんが訪れる。”高原におちていた、空のかけらで作った日よけ”欲しいな。キュートなこみねゆらさんの画も素敵。ファンタジックでほんわか優しい茂市ワールドを楽しめた。2020/04/12
ゆみねこ
86
雪のふる夜、町はずれの小さな仕立て屋さんの前に現れたのは鬼の子。破れた太鼓を直して欲しいと。腕の良い人にしか使えない不思議な金の針、仕立て屋・平井さんと次々にやって来る奇妙なお客さん。何とも素敵なほっこりした読み心地の1冊でした。この時期、児童書も良いですね!2020/04/24
はる
65
小さな仕立て屋を営む優しいおじいさんと、そこを訪れる不思議なお客たち。茂市さんらしい優しいファンタジー。もうずっと読んでいられる。四季折々、その季節に合わせた物語が綴られていくのも魅力的。訪れるお客が動物でも、雷の子でも差別せずに応じてくれる仕立て屋のおじいさんが優しい。こみねゆらさんの挿絵も素敵。何故かおじいさんの姿は挿絵で描かれていないけれど、どんな感じかなあ、と空想するのも楽しい。2022/01/27
☆よいこ
60
児童書。ファンタジー、中学年から。町はずれにある小さな仕立て屋さんの平井さんは背中の曲がってきたベテラン。最近は既製品の服を売る店ができたので、仕立て屋に来るのはお直しの客ばかりだった。2月のある日、鬼の子の太鼓のばちを拾ってあげたことで、たいこの皮をつくろってあるげことになる。鬼の子こたろうから「金の針」をあずかった平井さんのもとには、不思議なお客が来るようになった。[1:春のたいこ][2:空飛ぶマント][3:花の糸][4:秋のショール][5:キツネのハンカチ][6:冬のたいこ]▽良質なファンタジー2020/02/20
ぶんこ
52
仕立て屋のおじいさん平井さんのところに現れた雷の子。その子に頼まれて太鼓の穴を繕うこととなり、金の針を預かります。魔法の金の針は、その後も大活躍。その針に使う糸も素敵な魔法の糸。お月様の光で作ったり、空の青さの青い糸など、思わず触ってみたい、見てみたい糸ばかり。平井さんと子鬼ちゃんの関係も微笑ましい。私が一番欲しくなったのは「日よけ」。真夏に高原の爽やかさとは最高です。可愛らしい絵本にほっこり。2022/02/05