スプラッシュ・ストーリーズ シロクマが家にやってきた！

ファラー，マリア【作】〈Ｆａｒｒｅｒ，Ｍａｒｉａ〉/リエリー，ダニエル【絵】〈Ｒｉｅｌｅｙ，Ｄａｎｉｅｌ〉/杉本 詠美【訳】

あかね書房（2017/12発売）

• サイズ A5判／ページ数 176p／高さ 21cm
• 商品コード 9784251044327
• NDC分類 K933
• Cコード C8397

出版社内容情報

アーサーには、障害のために行動がコントロールできない弟がいて、家でも学校でもがまんを強いられ、面白くない毎日を送っていました。そこへ、突然シロクマが現れ、一緒にくらすことに！　心優しく陽気なシロクマのおかげで、アーサーは自分や弟、友だちや両親への見方が変わっていき、兄として弟を思いやりながら、自然体で日々を過ごせるようになります。「お兄ちゃん」の心に寄り添った、温かく、ユニークでさわやかな物語。

マリア・ファラー［マリアファラー］
著・文・その他

ダニエル・リエリー［ダニエルリエリー］
イラスト

杉本詠美［スギモトエミ］
翻訳

内容説明

アーサーは、障害のある弟のために、家でも学校でもがまんを強いられ、あもしろくない毎日。頭にきて家をとびだすと、シロクマが！？心優しく陽気なシロクマのおかげで、アーサーの気持ちが変化していきます。あたたかく、ユニークな物語。

著者等紹介

ファラー，マリア［ファラー，マリア］ ［Ｆａｒｒｅｒ，Ｍａｒｉａ］
英国の児童書、ＹＡ作家。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで音声言語科学を学び、言語聴覚士、教師として学校や病院に勤務。のちにバース・スパ大学で児童書の創作を学び、修士号を取得。２００５年に“Ｓａｎｔａ’ｓ　Ｋｉｗｉ　Ｈｏｌｉｄａｙ”で作家デビュー

リエリー，ダニエル［リエリー，ダニエル］ ［Ｒｉｅｌｅｙ，Ｄａｎｉｅｌ］
ポルトガル在住の英国人イラストレーター。アーツ・インスティテュート・アット・ボーンマス（現在のアーツ・ユニバーシティ・ボーンマス）で学んだ。ロンドンで３年間、イラストレーターとして働いたのち、ポルトガルに移住

杉本詠美［スギモトエミ］
広島県出身。広島大学文学部卒。おもな訳書は、『テンプル・グランディン　自閉症と生きる』（汐文社、第６３回産経児童出版文化賞翻訳作品賞を受賞）など（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[oldman獺祭魚翁]

図書館　アーサーは不満だった。お父さんもお母さんも弟のリアムの事ばかり、そりゃあリアムはチョッと変わっている、大きな音が駄目だしすぐパニックを起こす。でもお兄ちゃんだからといって…もう家出しようと玄関を出たら、そこには大きなシロクマが立っていた。突然やってきたシロクマのミスターPと、ちょっと自分に自信がないアーサー。そんなアーサーに寄り添い包み込むようにしてくれるミスターP。一人と一匹の心温まるお話でした。

2018/04/12

[かもめ通信]

玄関を開けたらトランクを抱えたシロクマが立っていた？！なんて滑り出しで始まる話は、ナンセンスながらアットホームなコメディだろうと思わない？！ところがこの本ときたら、めちゃくちゃシリアス。障がいをもつ弟のせいでいつもがまんを強いられる…と不満に思っている少年の前にある日突然シロクマが現れて……。いい意味で期待を裏切るユニークで温かな物語だった。　

2018/02/28

[なななお]

イラストから、奇想天外な楽しいストーリーかと思いましたが、少し違いました。きょうだい児のお話⚽。アーサーには、リアムという弟がいます。サッカーが大好きなアーサーは、テレビのサッカー中継が見たいのに、リアムはその歓声が嫌でパニック症状を起こします。いつも弟の事ばかり構う両親にも嫌気がさしているアーサーは咄嗟に家出しようとしますが、え？何でシロクマが家の前に居るの？……シロクマこと『ミスターＰ』の行動は、自閉症児のようにもカウンセラーのようにも映ります。シロクマは奇想天外ですが、関わり方、捉え方は現実的。

2022/08/06

[れっつ]

ママは障がいのある弟のリアムにかかりきりで、いつだってぼく・アーサーは我慢ばかり…。ぼくは家出を決意し玄関を飛び出すと、なんとそこに大きなシロクマがいた！…シロクマの優しさとひょうきんさのおかげで、アーサーは心癒され、自分らしさを取り戻して兄として成長していく…。挿絵のシロクマの表情や姿が何とも可愛いのと、擬音語や文字が場面の感情を表すように大きくなったりフォントが変わったり吹き出しがあったりと、読んでて楽しい工夫がいっぱい！目次も擬音語のみ！笑。シロクマにハグ、私もされてみたいなぁ(^ ^)ﾓﾌﾓﾌ♡

2018/12/01

[shiho♪]

高図書本。高学年向け。アーサーの家に突然現れたシロクマのミスターP。 アーサーの両親は何事にも発達障がいのある弟を優先、アーサーは我慢ばかりで弟に対して邪険していました。しかし、心優しく賢いミスターPのおかげでアーサーの考え方が弟想いになったり、気持ちの整理のつけ方が分かったり…。優しく包み込んでくれるミスターPが素敵。 私も弟がいて、お姉ちゃんだから我慢しなさい、など上の子あるあるをたくさん経験しました。障がいの有無に関わらず、兄・姉は共感する部分が多いのではないでしょうか。

2021/08/10