内容説明
小さな男の子は、なくなったおかあちゃんになんどもお手紙をかきました…“天の町やなぎ通り”は、どこ?ゆうびん局長さんは、お手紙をとどけられるのでしょうか?読みついでほしいあまんきみこの作品を、黒井健が幻想的に描いた、しみじみと心に残る切なくも美しい絵本。
著者等紹介
あまんきみこ[アマンキミコ]
1931年、旧満州に生まれる。『車のいろは空のいろ』(ポプラ社)で日本児童文学者協会新人賞と野間児童文芸推薦作品賞、『ちいちゃんのかげおくり』(あかね書房)で小学館文学賞、『おっこちゃんとタンタンうさぎ』(福音館書店)で野間児童文芸賞、『だあれもいない?』(講談社)でひろすけ童話賞、『きつねのかみさま』(ポプラ社)で日本絵本賞を受賞する。京都府在住
黒井健[クロイケン]
1947年、新潟市に生まれる。第9回サンリオ美術賞を、2006年『またたびトラベル』で赤い鳥さし絵賞を受賞。児童出版美術家連盟会員。作品は200冊を超える。山梨県清里に「黒井健絵本ハウス」を開設している。神奈川県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
56
何て優しい。あまんきみこさんの文章も、黒井健さんの絵も、優しさに溢れている。特に黒井健さんの絵がとても素敵で見入ってしまいます。主人公を少年ではなく郵便局長さんにすることで、感傷的になり過ぎず落ち着いた雰囲気に。描き過ぎずに読者の想像に委ねる展開がいいんだなあ。2019/11/04
ちえ
39
読友さんの読んだ本の表紙の男の子の絵に惹かれて借りました。優しくて、切なくて、あったかくて…心の中にある色々な気持ちがカタカタ揺れる、そんな本。(あの子にわるかったなあ…たくさん言いたいことがあったのに、なにか一つことばを言ったら、みんなくずれてきそうな、あやふやな気持ちになっちまって…)という局長さんの思い…最後「よかったなあ」と繰り返す気持ち…うんうんと頷きながら読んだ。とてもよかった。2019/12/07
ぶんこ
37
あまりに素敵すぎて溜息が出ました。 5歳の男の子が出したお手紙は、宛先不明でした。 お父さんが教えた住所も素敵なら、そこへお手紙を出す男の子も、そして届けてくれた郵便局長さんも素敵。 そして、そして黒井さんの絵が素敵。 溜息物でした。 思わず展覧会に行きたくて検索しちゃいました。 あまんさんの絵本を教えて頂いた読メさんに感謝です。2015/02/11
Cinejazz
15
ある町の小さな郵便局に、差出人のない「てんのまち やなぎどおり4ちょうめ11ばん」宛の手紙が見つかるようになりました。でも、「天の町」なんて住所は存在しません。ある日、手紙に差出人の住所が書いてありました。局長さんは自転車に乗って探し当てた家で、小さな男の子と会います。男の子は、亡くなったお母さんが引っ越していった所が「天の町」だと言うのでした・・・その時、局長さんの胸は、ズオーンと鳴り、男の子の手紙を届ける決心をするのでした・・・。切なくも優しいお話しの絵本です。2023/02/01
頼ちゃん
9
最初でお話はわかってしまうけど、それでも素敵です。あまんきみこさんらしいお話と黒井健さんの絵が素晴らしい。2016/10/02