出版社内容情報
どうしても遅刻してしまう少年と彼を厳しく罰する先生の立場が、ある日逆転したら…。生きた言葉のくり返しがユーモラスな絵本。
6歳から
内容説明
「せんせい、ぼくがちこくしたのはとちゅうで、ワニとライオンとたかしおにおそわれたせいなんです…。」ジョン・バーニンガムと谷川俊太郎のコンビでおくる、心すきとおる絵本。小学初級以上。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
97
先入観は、視野と思考を狭める。結果、信頼や自信の喪失に繋がることもある。相手を信じることで、信じてもらえる。そんな人間関係構築の基本的なことを、大人にも再認識させる。絵は、飄々とした風刺画のような作風。だからこそ、主人公の最後のシーンに哀愁と寂しさを感じる。大人の責任も感じる。主人公の少年には、これからも人を信じ続けて!って励ましたくなる・・・。2013/04/07
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
79
読み友さんのステキなレビューで、以前読んだこの本が未登録だったことに気づき再読。どうしても学校に遅刻してしまう男の子ジョン。それもそのはず、通学途中にひどいトラブルに見舞われてしまうのですから。ワニにカバンをかじられ、次の日はライオンに襲われます。めげずに学校に行くだけ偉い。ですが、遅刻の理由を先生は信じてくれず、ジョンは毎日罰を受けます。ところがある日、何事もなく学校に到着すると……。賛否あるかも知れないけど、僕は少年に共感。ところで、名前がジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーって長すぎでしょ!?2014/10/27
藤月はな(灯れ松明の火)
66
「論より証拠」と大抵の大人は言う。だけれども証拠があっても状況があまりにも「日常」とかけ離れていると信じてくれない大人は結構、多い。「日常」と規定できる事柄はあまりにも稀だというのにも関わらずだ。ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーの先生はまさにそういう大人の一人。最後の「ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーはもっと勉強しに行った」という文章が中々、痛快です。人は「本当に勉強したい」と思うと自分で勉強しに行くものなんだよな~。「少年老い易く、学成り難し」だが「勉強を始めるのは何時だってできる」2014/11/30
テルテル
64
先生というのは本人の心の中の比喩で、何か困難という大きな壁を『先生』に例えている。先生に会うまでに、1つずつ災難が起こる。それでも、先生がいる教室へ向かって歩いていく。先生は、罰を与える。それでも、負けずに先生のいる元へ歩いていく。また、災難が降りかかる。また、罰を与えられる。最後に先生がゴリラに捕まったシーンは、心の中で葛藤していた1つの壁を乗り越えた結果だと思う。どんな困難にも立ち向かって努力していけば、乗り越えられない壁はないんだとこの絵本を伝えている。我が子に何事にも立ち向かう勇気を持ってほしい。2015/05/11
マエダ
63
とても利いている。絵本は海外の作品を手に取りがち2018/04/04