内容説明
日本海軍機はなぜ米艦パナイ号を撃沈したか?「Remember The PANAY」―南京戦をめぐる日米両国民の認識の隔絶!戦争全面化を主導する「狼となった」日本海軍の役割に注目しつつ、「日米戦争への序曲」となった米海軍砲艦撃沈事件の全容を解明する。
目次
序章 パナイ号を忘れるな!
1章 パナイ号撃沈される
2章 日中全面戦争と海軍
3章 海軍軍備拡張のための戦争
4章 パナイ号撃沈の真相
5章 パナイ号事件の衝撃―日本・アメリカ
終章 日米戦争への序曲
感想・レビュー
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風見草
1
本書は、パナイ号事件を通して、日中戦争初期の海軍の積極性を明らかにします。盧溝橋前年の「出雲」水兵射殺事件に際し、軍令部は早くも対中爆撃を起案した。最終的には、陸軍があくまで上海限定を意図しで上海゙派遣軍を編組した当日の、海軍による南京爆撃実施となった。背景として、陸軍に倣った戦争実績による海軍の予算拡大の狙い、国際感覚の欠如などを指摘する。この中で、海軍により中国兵を匿ってると誤認されたパナイ号の撃沈事件が生じた。海軍もまた、予算拡大のために後先考えずに日中戦争拡大に走ったのには驚くばかりです。2011/09/17