中絶と避妊の政治学―戦後日本のリプロダクション政策

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  • サイズ A5判/ページ数 305,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784250208188
  • NDC分類 498.25
  • Cコード C3031

内容説明

中絶「合法化」=1948年、ピル解禁=1999年。世界的にも希有なこの政策は、なぜ生み出されたのか?産婦人科医ら医師団体と宗教団体の攻防、女性たちの運動はじめ、利益集団と国家アクターの駆け引きを中心に、避妊政策をめぐる政治過程を描きだす。

目次

第1章 序論
第2章 利益をめぐる政治
第3章 お国のために―戦前の中絶・避妊政策
第4章 日本における人工妊娠中絶の合法化―国の利益と専門家の利益の合致
第5章 中絶の政治―優生保護法を改定する運動(一九五二~二〇〇〇年)
第6章 産児制限よりも中絶―日本の避妊政策(一九四五~一九六〇年)
第7章 ピルの政治学(一九九五~二〇〇〇年)
第8章 結論

著者等紹介

ノーグレン,ティアナ[ノーグレン,ティアナ][Norgren,Tiana]
コロンビア大学政治学博士。全米家族計画(プランド・ペアレントフッド)財団職員

岩本美砂子[イワモトミサコ]
三重大学人文学部教授(政治学・行政学・女性学専攻)

塚原久美[ツカハラクミ]
金沢大学大学院社会環境科学研究科在籍中(翻訳業、フリーライター)

日比野由利[ヒビノユリ]
金沢大学医薬保健研究域医学系助教(社会学・公衆衛生学専攻)

猪瀬優理[イノセユリ]
北海道大学大学院文学研究科助教(社会学・宗教学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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かめすけ

2
リプロの勉強のため読了。「なぜ日本では中絶政策が相対的に進歩的であったのに、避妊政策は保守的であったのか?」という疑問に対し、著者は、医師や家族計画運動家などの利益集団の配置による産物であると喝破する。戦後に誕生した利益集団が政治への圧力団体として密接な(相互依存的)関係を結ぶようになり、その最たるものが中絶・避妊の歴史であるという。国民優生法を母体とする優生保護法が1949年谷口弥三郎の提出により制定され、中絶を行える「指定医師」を定め、かつ日本母性保護医協会(現:日本産婦人科医会)を確立した。→2021/05/14

まやちゃん

1
なぜ中絶は母親1人の意思だけでは出来ないのだろうかと疑問に思い、手に取った。めちゃめちゃ面白い。2021/07/21

みなみ

1
アメリカ人は陰謀論が好きだなーというのがざっくりとした感想。ピルが認可されなかった大きな理由は、医師達が中絶の利益を守る為に反対し、中でも1人の医師がリーダーとなって、ピル導入に反対する産婦人科医団体を作ったから(表向きは女性の健康を守るという活動理念)、という主張。何か1人(や1つ)が中心となって悪が存在する、という考え方はアメリカ的だなーと。1つの原因だけではなく、複数の原因が絡み合った結果その事象が存在した、という多原因相対主義を支持するので少し違和感はあった。個人メモ・卒論の参考文献に使用、売却。

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