徳間文庫<br> ぼくとひかりと園庭で

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徳間文庫
ぼくとひかりと園庭で

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  • サイズ 文庫判/ページ数 93p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784198932343
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

新村あさひと須賀みずきは大の仲良し。ひどく内気なみずきは、あさひと先生以外、ひぐらし幼稚園の誰とも口をきかない。そんなある日、徳永ひかりが転入してきた。とても素敵な女の子。二人とも彼女のガラスのように澄んだ目と声に惹かれる。でもそれは「恋の試練」のはじまりだった…。恋の不思議と世界の残酷。夏の緑豊かな園庭で繰り広げられる、ひと夜の心揺さぶるファンタジー。

著者等紹介

石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京都生まれ。97年、『池袋ウエストゲートパーク』でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、作家デビュー。03年に『4TEEN』で直木賞、06年に『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りゅう☆

96
「人を好きになる恋の不思議と避けられない世界の残酷さを作品にしたかった」という石田さん。主人公は幼稚園のあさひとひかりとみずき。あさひが初めてひかりを見て「誰かが自分の胸の中に手を入れたのかと思いました」という表現を始め、初めて経験する思いや何気ない日常にもきれいで無垢な気持ちが溢れてる。そして園丁から与えられた恋への試練。いきなり現実に戻されたかのような出来事にちょっと驚き。そして18歳の2人が記憶を失くしつつ6歳に戻る時のお願いにはもう純粋すぎて心が洗われた。恋人同士になるってすばらしいことですね。2015/01/19

優希

51
絵本のような童話でした。内容は子供というより大人向けと言えるでしょう。恋とは、友情とは。色々考えさせられそうです。2023/06/10

sk4

40
親友に想い人を奪われた腹いせに幼稚園に闖入して三人刺し殺して自殺するなんて、幼稚園児が考えても悪い事だし、当のみずきにだって極悪な事だとわかっている。 でもこれは、誰の心にもある矛盾のない世界像が揺らぐ時に初めて出現する世界の姿であり、私たちが生きていくのにどうにもならない崖なのかもしれない。その証拠に、心の崩壊に突き進むみずきは限りなく透明に見えた。でも、だからモラルに欠ける行動は許されるという事ではない。その場合にモラルが無いと言う事自体がモラルだと思うから。 うーん。難しいよね。現代版赤ずきんかな。2013/04/26

ユカ

36
好きで恋人どうしになったのに、つまづいたり迷ったりしている人は、少し元気になる……かもしれない? 社会問題とまじえた大人のための絵本です。夢の世界の浮遊感と、現実の世界の醒めた感覚が共存している、不思議な本でした。絵がとてもきれい。2015/08/06

mika

32
あっさりしすぎていて物足りない感はあるが独特の世界観。「あまりいけてないカップルだって、余人には想像もできない危機を数々乗り越えて、今も一緒にいるのだ。カップルでいるというだけで、ほんとうは結構すごいことなんだ」という作者のメッセージにも頷ける。恋をするって改めてすごいことなんだと感じる作品…。2015/10/20

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