内容説明
二十キロ四方に無人の荒野が広がる鎌刈集落で、野地純平は自給自足で生きてきた。清河市はここに民間刑務所を誘致しようとしている。中学時代の同級生・泉敏郎は市の職員として純平に立ち退きを迫らざるを得なかった。だが、純平は断固拒否する。父と祖父が命懸けで開拓した山を守るために…。しかも獰猛な大型犬を従え、ライフルで戦うという。同級生同士の惨劇は幕を開けた。
著者等紹介
永瀬隼介[ナガセシュンスケ]
1960年鹿児島県生まれ。国学院大学卒。「週刊新潮」記者を経てフリージャーナリストに。祝康成名義で事件ノンフィクションを中心に活躍。2000年に『サイレント・ボーダー』で小説デビュー。ジャーナリストとして培われた取材力に裏付けられた緊迫感のある描写でストーリーテラーとしての評価が高い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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A
18
山奥の限界集落、たった1人でオオカミ犬と住む男。そこに山を切り開く計画が。それぞれの過去に何があったのか、登場人物が出揃って、下巻気になります。2021/10/18
くるぶしふくらはぎ
15
誉田哲也さんの姫川シリーズと同じタイトル、しかも、姫川さんは図書館に予約してもなかなか来ない。よし、大好きな作家さんだし、読んでない作品だから、借りよう!って、感じで、読み始めたら、面白い!荒寥とした無人地帯はニホンオオカミの目撃譚もある鎌苅地区。小学校・中学校もあった集落には、今や、たった一人の男が住んでいるだけ。山から下りない男が背負っているものとは?オオカミ犬を従え、ネットカフェで独学に励むこの男の背景とは? 下巻へ2017/12/03
terukravitz
4
★★★★★2021/01/29
YH
3
例によって内容は全く覚えてないが、雇い主の靴でウイスキーを飲まされる件は、エグさと気持ち悪さから記憶に残っている。色々な伏線が張ってあるが全部回収できたんだっけ。2021/12/29
YH
3
面白いんだけど、謎がかなりあるので、下巻の薄さで集束できるか一抹の不安。しかも、下巻の裏表紙のあらすじでかなりのネタバレ・・・。これ、一冊にまとめられなかったのかなあ。そこがちょっと残念と思いつつ、下巻に。2010/07/02