内容説明
「人間って、地獄に落とされたとき逆に、笑いがこみ上げてくるものですね」引き揚げ者の作家・五木寛之と、撃沈された輸送船の生き残り、考古学の泰斗・大塚初重の二人が、時に泣き、時に怒り、そして感動を共有した。戦後最悪のいま、地獄を見てきた二人が“弱き者”へ贈る、熱く、温かい、生き延びるためのメッセージ。
目次
第1章 弱き者、汝の名は人間なり(人は弱し、されど強し;虎屋の羊羹、銀座のネオンで殴られる ほか)
第2章 善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや(極限状態で交錯する善と悪;二度目の撃沈と敗戦 ほか)
第3章 心の貧しさと、ほんとうの豊かさ(肉親の死を身近に感じる大切さ;お金という魔物 ほか)
第4章 人身受け難し、いますでに受く(人生の峠道でたたずむ;人間性と謙虚さ―前田青邨先生の教え ほか)
第5章 人間は、ひとくきの葦である(「負け組」などいない;辛いことも直視する勇気をもちたい ほか)
著者等紹介
五木寛之[イツキヒロユキ]
1932年(昭和7年)福岡県生まれ。生後まもなく朝鮮にわたり、戦後47年引揚げ。66年「さらば、モスクワ愚連隊」で第6回小説現代新人賞、67年「蒼ざめた馬を見よ」で第56回直木賞、76年「青春の門」筑豊篇ほかで第10回吉川英治文学賞を受賞。現在、直木賞、泉鏡花文学賞その多他くの選考委員を務めている
大塚初重[オオツカハツシゲ]
1926年(大正15年)東京都に生まれる。45年、輸送船が二度撃沈され漂流、九死に一生を得る。復員後は、働きながら明治大学の夜間部に学び、同大学院文学研究科史学専攻博士課程修了。日本考古学界の第一人者として、登呂遺跡や綿貫観音山古墳をはじめ、多くの発掘を手掛ける。明治大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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