内容説明
東京地検のエリート検事・杜丘冬人は、新宿駅の雑踏で突然、女性から強盗強姦犯人だと指弾される。濡れ衣を着せられたその日から地獄の逃亡生活が始まった。自分を罠に陥れた者は誰なのか。怒りだけが彼の支えだった。巨匠の最高傑作長篇。
著者等紹介
西村寿行[ニシムラジュコウ]
1930年香川県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
70
冤罪を着せられ逃亡を続ける検事。逃避行を続けながら真相に迫る様子を描いた一冊。考えると荒唐無稽というか有り得ない設定が多いのだけど、読んでいる最中は羆との死闘やセスナ飛行の様子等、外連味溢れる骨太な冒険に酔ってその様な事に考えを回す事無く読みふける。こういう逃亡者物って主人公の生きざまみたいなものが染み出ていて好きなんだけど、本書では追う側の生きざまと二人の関係もこの手のものとしては理想的であるな。ただどうしても黒幕側のスケールが小さいのが何とも。ただの××××の××がどう見ても国家的な陰謀企ててるし…。2021/08/19
k5
67
冒険小説はその荒唐無稽さによって、文学から遠いとされがちですが、この小説の奇想はもはや文学の門を叩いてると思います。逃亡する検事という日本のサスペンス、冒険小説の典型を作った作品でもあり、何よりもこれでもかと登場する猛獣たちがスゲエ。主人公、検事だったはずなんですが、やっていることがジェームズ・ボンド並み。ただ、あまりマッチョになり過ぎない人物像で共感もできます。2021/04/02
舞
50
あまりはまらず。飽きてしまったょ。。。2019/08/11
金吾
33
テンポよく話が進みます。主人公の不屈の精神力とサバイバル能力や矢村刑事の執念にひかれます。ただラストはかなりあっけなく感じました。2023/03/23
ヨーコ・オクダ
26
あとがきによれば、生島センセに「冒険小説を書いたらどうですか」と勧められて生み出された作品らしい。それなら納得。うちは、濡れ衣を着せられた逃亡検事、厚生省医務局技官の死の謎…というキーワードから、好みの路線やと思て手にとったんやけど、微妙にズレてて(苦笑)最終的に、謎解きの核の部分に進むものの、熊と戦ったり、無免許でいきなり飛行機操縦したり、人喰いザメが待ち受ける海に飛び込んだりと驚きの体当たりシーンが連続!法職についてる人間なら、もうちょっと調べてから行動するやろ!?若手熱血刑事とちゃうんやから…。2020/09/24