徳間文庫
木曜組曲

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  • サイズ 文庫判/ページ数 247p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784198917593
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、いつしか告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。はたして時子は、自殺か、他殺か―?気鋭が贈る、長篇心理ミステリー。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SJW

209
4年前に自殺した著名小説家 重松時子の4人の親族と身の回りを世話をしていた元担当編集者が年に1回集まる時子を忍ぶ会で、当時の事件の真相を明らかにしていくミステリー。閉じられた館で5人の女たちの和やかな会話、告発、告白、騙し合い、裏切りなど、フランス映画の「8人の女たち」を彷彿とさせる。どこまでが本当なのか、嘘なのか、更なる殺人は起きるのか、緊張と弛緩が交代で襲ってくる展開に引き込まれていく。恩田さんお得意のファンタジー色はなく、脚本のような小説で女たちの日常的な会話、嘘や騙し合いの会話、演技などが(続く)2018/10/17

しんたろー

190
4年前に亡くなった小説家を偲びながら、関係ある女性5人が死の真相を探りあう……ほぼ全編が屋敷の中で進むし、暗転を感じさせる章分けなので、舞台劇を鑑賞した気分……緻密に計算された心理劇とミステリが好いバランスで調和していて、良質な戯曲とも言える。作家や小説に関しての考察が、プロ側の視点で皮肉も込めて会話にまぶされているのも楽しい。どんでん返しもあり、恩田さんにしては珍しくキチンと終結させている。小説と演劇への愛さえ伝わってくる佳作❗巧い女優たちで映画化されているが、是非とも舞台化もして欲しい作品だ。2017/12/28

ダイ@2019.11.2~一時休止

159
4年前の薬物死事件を巡る真相追求。5人の心理戦がイイ感じです。結果○○○の一人勝ちですかな?。恩田作品では珍しく?スッキリ。2016/10/12

NADIA

134
4年前の大物女流作家の殺人事件(?)をめぐる女ばかり5人の関係者たちの物語。思わせぶりな伏線がそのまま投げ出されることはなく、めずらしくきれいに完結。「ここでは時間の流れが違う」と登場人物が語った通り、舞台のうぐいす館でのゆったりしながら濃密な二泊三日という時間をたっぷり味わえた。作中に次々出てくる美味しそうな料理も味わいたいなあ。2016/07/27

chiru

130
5人の“物書き”の女たちが集まり、薬物死を遂げた作家時子の死の真相に迫っていく。謎のメッセージをきっかけに、幕をあけた心理戦。時間にすると二日間。ほぼ食堂を舞台に繰り広げる密室劇。この物語の面白いところは全員『書く』ことを前提に事件を見据えていること。告発と告白に迷走する真相解明は、視点が変わると同時にジャッジも変わる『12人の怒れる男』の女バージョン。優雅で華やかな女子会と高まる疑心暗鬼のバランスが絶妙。スマートなフェードアウトのラストもよかった。 ★42019/12/11

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