目次
第1章 近代の基礎をつくったキリスト教
第2章 なぜイスラム教は近代をつくらなかったか
第3章 絶対主義が国際法を確立
第4章 湾岸戦争で戦争の概念が変わった
第5章 なぜ日本人は国際法を理解できないのか
第6章 アメリカン・デモクラシーの正統性と差別観
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
48
過激な発言で知られる著者ですが、本書も例外ではない。日本が外交下手なのは、ひとえに国際法を知らないが故であるという、本の副題に上げられている一点だと結論付けしている。その上で、いち早く国際法が成立していったヨーロッパの歴史を、宗教的。経済的などに分類し、推察している。しかし、これらの内容はマックス・ウェーバーの学説と重複する箇所が多々と存在するため、ウェーバーを読み込んでいる人は、改めて読む必要はないと感じた。2015/06/01
アベシ
20
平成9年の本である。しかし内容はキリスト教の歴史から、イスラム教の歴史、この世界2大宗教の関係の歴史へと話が進む。どうしてイスラム教が近代化できなかったのか。神と私の契約、その内容がはっきりしており、内容がいちいち事細かに決まっている。これに対し、キリスト教には解釈の自由さ、余白があった。つまり、堕落しやすかったのだ。教会はすぐ堕落した。この性質の故の弁証法的な論理がキリスト教が近代化したエンジンだ。かつては世界の文化の頂点に君臨したイスラム社会。この魔法の世紀にわかり合える日が来ることを願う。2019/11/10
スズツキ
5
小室直樹といえば日本の誇る大学者であるが、まとまった状態で読むのは今回が初めて。そもそも著作自体が入手困難な状態が多いわけだけども。時折現れる独特の文体は好みが分かれるだろうが、碩学の書として申し分なし。2015/05/06
出世八五郎
4
国際法をヨーロッパの誕生、キリスト、カルケドン信条などその大元から解説。
有無
3
国際政治とはなんであるか、歴史と宗教から、政治から見るからわかる。そして、そのベースには極めて重要なポイントがあることをしらせてくれる。2011/08/15