師走の扶持―京都鷹ヶ峰御薬園日録

澤田 瞳子【著】

徳間書店（2015/11発売）

• サイズ B6判／ページ数 265p／高さ 20cm
• 商品コード 9784198640439
• NDC分類 913.6
• Cコード C0093

出版社内容情報

京都・鷹ヶ峰の薬草園で働く元岡真葛が、薬草を通じて隠れた悩みを解きほぐす。『若冲』の著者が贈る、心に沁みる絶品時代小説。

その病に、理由あり――。妊娠したという幼い娘が持参した丸薬の秘密。薬種屋の主が、仕入れの旅に出ないと言い出した理由。どんな薬を煎じても一向に治らない咳病とは……。京都・鷹ヶ峰で幕府直轄の薬草園を営む藤林家で養われた女薬師・元岡真葛が、薬草を通じて隠れた悩みを解きほぐす。『若冲』の著者が贈る、心に沁みる絶品時代小説。

【著者紹介】
1977年京都府生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒業、同大学院博士前期課程修了。2011年、デビュー作『孤鷹の天』で第17回中山義秀文学賞を最年少受賞。13年『満つる月の如し　仏師・定朝』で、本屋が選ぶ時代小説大賞2012ならびに第32回新田次郎文学賞を受賞。15年『若冲』が直木賞候補に。著書に『日輪の賦』（幻冬舎）『ふたり女房』『関越えの夜』（徳間書店）『夢も定かに』（中央公論新社）、エッセイ『京都はんなり暮し』（徳間文庫）、編著に『大江戸猫三昧』『犬道楽江戸草紙』『酔うて候』（いずれも徳間文庫）がある。

内容説明

その病に、理由あり。糸瓜、芍薬、甘草、肉桂皮、薄荷葉、檳榔子、撫子、杏仁…女薬師・真葛が薬草を通じて、隠れた悩みを解きほぐす―。

著者等紹介

澤田瞳子［サワダトウコ］
１９７７年京都府生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒業、同大学院博士前期課程修了。専門は奈良仏教史。２０１１年、初の小説『孤鷹の天』で第１７回中山義秀文学賞を最年少で受賞。１３年『満つる月の如し　仏師・定朝』で、本屋が選ぶ時代小説大賞２０１２（「オール讀物」誌）ならびに第３２回新田次郎文学賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[いつでも母さん]

シリーズとは知らず何気に手にした。連作6作、薬草の漢字に手こずるも主人公・真葛に惹かれ最後まで読み切った。親子・家族の愛憎半ばする心のひだも巧く描いていたように感じた。この先、実の父の事もどこかで収束を図ると期待したい。

2017/02/25

[ねむねむあくび♪]

図書館の本。シリーズ２作目だったのですね…(^^;(笑)それでも充分楽しめました。『若冲』の時に感じた不快感（若冲の絵には生きる喜びが無い、等）が全くなく、女主人公はとても魅力的でした。前作も読みたいと思いました。

2016/02/10

[万葉語り]

京都鷹ヶ峰御薬園日録2作目。女だてらに荒子たちと薬園管理に励み、医学の心得もある元岡真葛が主人公。オススメは江戸での修行中、真っ黒に日焼けした真葛に小野蘭山が糸瓜水を勧めてくれたことがきっかけで小石川御薬園を訪ねた時のエピソード「糸瓜の水」と、50年も蘭山の荷持ちを勤めた喜太郎が娘夫婦と伏見での新生活をスタートさせる「終の小庭」。真葛の母方の祖父の真意がわかる表題作「師走の扶持」です。私にとって真葛は働く女性の理想像だと感じさせてくれるシリーズです。オススメです。2016-55

2016/02/21

[shikashika555]

前作『ふたり女房』に続く鷹峯御薬園日録 2作目。 真葛、熱いなあ。 自分の仕事を愛する信念と若さと その熱血ぶりで、病む人の治療をし 人の情に絡んだ謎を解く。 爽快！だけど 謎に絡んだ情を切って捨てずに包摂するような世界観と、美しく細かな風景や背景の描写が ふんわりと余韻をのこす読了感でした。 「ふたおもて」凝ってしまった人の恨みのどうしようもなさ。憎悪を支えに生きてる人は人も許せないし自分の憎悪を失うことも許せない。せつない。 「師走の扶持」とても良い話。真葛の実家に対する蟠りがひとつ解れた。

2021/06/22

[007]

★★★★☆　シリーズ２作目。薬草の知識を活かして人々の心と体の不調を解きほぐす女薬師の話。落ち着いた筆致と読み手を満足させる人情話は既にベテランの域。実力派の作家ですね。主人公がちょっと真面目すぎるかなとも思うけど、元気いっぱいなのは朝井まかてさんにおまかて（お任せ）しよう。それぞれ個性があって楽しい。

2015/12/13