内容説明
男の子は、一通の手紙を書きおえると、封をとじ、切手をはり、ポストに出しにでかけました。そのとき、男の子のまわりで起こっていたことは…？２００冊を越す絵本に携わったデイビッド・マクフェイルが、争いのない未来への願いをこめて描きました。文字のない一画面一画面が雄弁に物語を伝えます。そして、男の子が口にしたことば、それは…。すべての暴力に対して「やめて！」と訴える力強い絵本。５さい～。
著者等紹介
マクフェイル，デイビッド［マクフェイル，デイビッド］［ＭｃＰｈａｉｌ，Ｄａｖｉｄ］
アメリカのマサチューセッツ州ニューバリーポートに生まれる。ボストン・ファインアートミュージアムスクールに入学。１９６６年子どもの本に目覚め、数多くの絵本を読むと同時に、自分でも絵本を描き始めた。現在までに２００冊を超える本に携わる
柳田邦男［ヤナギダクニオ］
１９３６年栃木県生まれ。ＮＨＫ記者を経て作家活動に入る。７２年大宅壮一ノンフィクション賞、７９年『ガン回廊の朝』（講談社文庫）で第１回講談社ノンフィクション賞、９５年『犠牲（サクリファイス）』（文春文庫）などで第４３回菊池寛賞を受賞。現代社会を鋭く描く著書多数（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♪みどりpiyopiyo♪
80
垂れ込める空、不穏な空気。男の子は、一通の手紙を書きおえると… ■胸に重く響くお話を読みました。字のない絵本です。■ No って言うの、難しいよね。日本で育った私たち、特に女の子〜女性には尚更です。けれど、この本のちびっ子は、勇気を振り絞って No! と言います。そのとき、この子のまわりで起こっていたことは… ■ No という一言が世界を変える。静かに「暴力反対」を訴える。訳と解説はノンフィクション作家の柳田邦男氏。「子供は大人たちの全てを見ているのだ」 （2009年）（→続2019/12/21
たいぱぱ
69
どうせ声をあげても変わらないと、見て見ぬふりしがちな自分に嫌気がさす。小さなことでいい。弱者の声を耳をすまして聞かなければ。まず自分の子供たちからはじめたい。2018/10/14
yomineko＠猫と共に生きる
67
読み友様からのご紹介本です📙少年の叫び。NO！をどう訳すか悩まれたと仰る柳田國男さん。それは「やめて！」となった。その声の大きさが絵本から伝わって来る。全ての人がやめて！と言える世界になる事を望む。2023/09/28
がらくたどん
65
再読。献辞が「世界中の教師たちへ」であった事。少年は手紙を出しに行く途中の大人たちの暴力的な行為を凝視するしかない事。ポストの前で邪魔する少し大きな少年に対し一度で諦めず歯を食いしばってもう一回「やめて」と叫んだこ事。非力な子どもの彼にはまだ大きな暴力に「やめて」と言える力が足りなくて、だから何とかして力を持つ大人に手紙を読んでもらわなくちゃならない。ポストの少年は子どもの彼には十分おっかないけど邪魔させないことならできるかもしれない。それほど大人に動いてほしかったんだ。非力な存在が訴える事の重さを思う。2022/05/18
ネギっ子gen
61
【世界中の教師たちへ】男の子は、「だいとうりょうさま」宛ての手紙をポストに出しに出かける。頭上には爆撃機。空爆。地上には戦車。砲撃。様々な暴力を目撃しながら、男の子は黙々と歩く。ポストの前では、少年が男の子を殴りかかりにくる。ここまで文字のない画面が続き、ここで、男の子が口にした言葉が、「やめて！」だった。その言葉を契機に、街は一転して平和に――。最後に手紙の内容。＜ぼくの学校には、きちんとしたきそくがあります。つきたおしてはいけない。なぐってはいけない。このくにには、そういうきそくがないのですか？＞と。2022/06/01
