十二の嘘と十二の真実

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198624187
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

怖いけれど哀しい、おぞましいけれど面白い。中世の王国の物語と現代の恐怖譚のつづれ織り。王妃に仕える侍女ツルと、小さな街に住む現代の老女の謎とは。

著者等紹介

あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県生まれ。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー1~4』で小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青蓮

93
Twitterのフォロワーさんから。あさのあつこさんは初めて読みました。本書は何処かの国のお后様の話と日本のお婆ちゃんの世間話が交互に語られるユニークな構成。お后様が「ツル」という侍女に唆されて国が滅んでいく有り様は残酷だけれど、それ以上に怖かったのは「ツル」お婆ちゃん。人間の業の深さと言うか、憎悪や嫉妬、悪意が見事に描かれています。この世で一番恐ろしいのは人間だと再認識。読後の後味の悪さは絶品。併録の「崖の上」も面白く読みましたが、この物語はもう少し色々と膨らませて、長編で読んでみたいなと思いました。2016/05/23

morinokazedayori

70
★★★★★「どんな美女でも、偉い人でも、身分の高いお方でも、聖母のような微笑を浮かべている者だって、一皮、べりべりと剥がせば、そこには・・・。」流麗な日本語で、人間の心の闇を描く。ぞっとするとともに、読みながら自分の中の「毒」が主人公たちの手によって昇華されていく気がして、モヤモヤしていた気分がすっきりした。「どんなに酷い人でもよい部分もあるし、産まれた時には無垢だった」と思いたい。2017/02/07

dorebook

44
后とツルと言う名の侍女は輪廻の母娘なのか? 交互で語られる婆は何者で、どう関わってくるのか。十二の嘘と十二の真実はどちらの語らいなのか。「食いたい、食いたい、食いたい」の声が怖く、哀しい。侍女のマインドコントロールが甘く恐ろしい。「見る気にならねば何も見えず、聞く気にならねば何も聞こえない、思おうとしなければ、思うことなどできぬものを」がずっとリプレイする。2016/06/08

ぶんこ

37
恐かった。 恐ろしすぎて、途中楽しい本を間に入れてみましたが、結局最後まで読めませんでした。 まだ気持ち悪いです。 あさのさんの作品? 2015/01/30

あつひめ

35
人の心を物語った1冊かもしれない。誰でも心の中にツルが住み着いているのよ。最初はいい人でも何かの拍子に変化してしまうのが人の心。それを見事に表している気がする。ツルだけが悪いわけじゃない。ツルの心が荒んでしまうもとがあったということ。食べたい・・・食べたい・・・それがキーポイントかも。しばらく人を信じるのが怖くなってしまった・・・。肝試しの時にでもこの本を読んだらゾゾゾーを通り越して大変なことになるかもしれない。やはり大物作家さんはいろんな作品がかけるんだなぁ・・・と改めてあさのさんに脱帽!!2011/05/10

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