世界を不幸にしたグローバリズムの正体

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 390p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198615192
  • NDC分類 333.6
  • Cコード C0033

内容説明

WTO、IMF、そして世界銀行―世界経済の安定と、発展途上国の援助を使命とするこれら国際経済機関が介入した地域に何が起こったか?東アジア、ロシア、東欧、アルゼンチン、そしてアフリカ諸国は、すべてさらなる経済的困窮へとおちいってしまったのだ。一体それはなぜか?そうした機関が押しつけた貿易の自由化や民営化で、利益を得たのは誰だったのか?2001年ノーベル賞経済学者が、大国のダブル・スタンダードに左右されたグローバリズムの怖さを訴える衝撃の書。

目次

序 最も不透明な機関IMFとアメリカ財務省の偽善
第1章 国際機関が約束したグローバリズムの恩恵
第2章 破られた約束
第3章 民営化・自由化の罠
第4章 東アジアの危機―大国の利益のための「構造改革」
第5章 誰がロシアを見捨てたのか?
第6章 アメリカを守る不公正な「公正」取引法
第7章 「中国の成功」と「ロシアの失敗」
第8章 収奪者たちの論理
第9章 世界を幸せにするグローバリズムの道

著者等紹介

スティグリッツ,ジョセフ・E.[スティグリッツ,ジョセフE.][Stiglitz,Joseph E.]
1943年生まれ。アーマスト大学卒業後、マサチューセッツ工科大学大学院に進み、英国ケンブリッジ大学へ留学。博士号を取得。エール大学をはじめオックスフォード、プリンストン、スタンフォード大学で教鞭をとる。ミクロとマクロの経済学を統合する新パラダイムを確立し、情報、インセンティブ、技術革新などの問題に新しい光をあてた。1993年3月、クリントン政権の大統領経済諮問委員会(CEA)に参加、95年6月よりCEA委員長に就任し、アメリカの経済政策の運営にたずさわった。1997年1月にCEA委員長を辞任後、世界銀行の上級副総裁兼チーフ・エコノミストを2000年1月まで務める。「情報の経済学」を築き上げた貢献により2001年のノーベル経済学賞を受賞。アメリカのスター的経済学者であり、「50年に1人の逸材」と賞賛されている。現在はコロンビア大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

34
2002年初出。グローバリゼーションは貧困の軽減に失敗した(23頁)。貧困層は、自分に発言力がない、自分で自分の運命をコントロールできないと感じている(128頁)。適切な規制をともなわない金融市場の自由化は、貧しい農民に種子や肥料を買えなくさせる(129頁)。開発とは、社会を変容させ、貧しい人びとの生活を向上させ、すべての人に成功のチャンスが与えられ、医療や教育を受けられるようにすることである(352頁)。ノーベル経済学賞を得た経済学者、スティグリッツの本質を見た箇所である。2021/01/22

Kiyoshi Utsugi

25
ちょうどスタンフォード大学を離れ世界銀行の副総裁を務めていた時期の体験を元に書かれているようです。 国際的な経済機関であるIMFや米国の財務省をバッサリと斬り捨てるところは、読んでいて非常に小気味よいです。😀 当時のIMFにはスティグリッツと同年齢のスタンレー・フィッシャー、財務省にはローレンス・サマーズといった著名人がいましたが、彼らもバッサリと切り捨てられます。 最後は、今後のグローバリゼーションを意味のあるものにするためには、どうしていかないといけないかをまとめています。2020/09/16

CCC

14
こういうタイトルだけど内容はIMF批判。とにかく民営化自由化すればいい。格差は必要悪。現場の負担も一時の痛み。インフレを避けて財政を健全に保っていれば、そのうち軌道に乗って、あとはトリクルダウンがなんとかしてくれる……そんな信仰に基づいた助言が政策を決定して、途上国に貧困をもたらしている、という具合。アジア通貨危機後の対応の結果が出揃ったくらいの時期の本だけど、今でも通用する話は多そう。否定されてる緊縮やトリクルダウンが風化してない日本では特に。2020/04/25

Nobu A

9
2002年初版。序章は米国、世界銀行、IMF、それぞれの立ち位置や思想及び思惑を対比させながらこれまでのグローバリズムの動向を俯瞰し、ロシアやアジア諸国の事例を検証。ここまでは良かった。その後、著者が勤務したIMF批判に終始しだし、集中力低下。読了に随分時間が掛かった。トリクルダウン理論やショック療法の危険性等、数カ所興味深い考察があるが、総じて一知半解。ノーベル賞受賞経済学者の本著。学ぶことは多いが、決して一般向けではないような。再読必要。著者の2006年刊行の次巻も手元にある。でも、気が重いな。2020/06/23

とりもり

9
令和初の読了本は、何故かこんな昔の本(笑)。扇動的なタイトルがまずダメ(原題は「グローバル化とその不満」なので、全然ニュアンスが異なる)。本書の主張は、インフレ抑制に主眼を置いたIMFを中心とした国際金融団による途上国支援は、かえって経済的な混乱をきたすというもの。歴史的に見てそれは概ね事実と言えるし、経済的に未発展な国で自由化を推進することが招く結論は、既に出ているのではないかと…。中途半端なグローバル化が、かえって自由化を阻害している現実は残念でならない。本書の警鐘は現在にも通じるかと。★★★★☆2019/05/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11842
  • ご注意事項