小室直樹の中国原論

小室直樹の中国原論

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  • サイズ B6判/ページ数 363p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198604561
  • NDC分類 302.22
  • Cコード C0030

内容説明

本書の目的は中国の科学的分析である。分析結果を誰にでもわかるように解説した。

目次

第1章 中国人理解の鍵は「〓(ホウ)」にあり
第2章 「〓(ホウ)」を取り巻く多重世界
第3章 中国共同体のタテ糸「宗族」
第4章 中国人意識の源流に韓非子あり
第5章 中国の最高聖典、それが「歴史」
第6章 中国市場経済はどうなっているか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中玉ケビン砂糖

54
「中国人は絶対に信用できると『同時に』絶対に信用できない」。古典として人気の高い『三国志』等々を引き合いに出した明快かつユーモラスな著者の論は今も古びてはいないが、中国における特殊な人間関係よりかは、それに比した日本の社会モデルについての解説が目を惹いた。急激な近代資本主義の流入によって膨大な労働者が生まれ、村落共同体がまず徐々に崩壊し、終戦によって遂に事実上瓦解する天皇制ヒエラルキー。これらによって拠って立つもののなくなった不安な国民は、2021/10/18

ゆうきなかもと

17
韓非子というか中国における法家思想について書いてあったことを、思い出し読んでみた。 が、面白すぎて全部読んじゃった… 1996年に書かれた本だが、現在の中国市場を小室直樹が生きていたらどう分析するんだろう。 特に、キャッシュレス決済と信用評価についてどう分析するんだろう なんて考えた。2019/04/12

Willie the Wildcat

9
”歴史”は中国理解に必須でありスタート地点。人間関係はどの国も大事だが、鍵は横の「幇」と縦の「宗族」。その上で「契約」、「法」、そして「所有」の概念を捉える。”事情変更の原則”、”法家の思想”、そして”血縁共同体”。三国志等を引用し、これらをわかりやすく説明。腹に落ちやすい。特に儒教の位置づけは印象深い。”苗字(姓)の存在”は考えたこともなく、又、”主権の位置づけ”を理解すると、これまで耳にした事柄にも合点がいく・・・。三国志は漫画しか読んでないからきちんと読み直そう・・・。(汗)2012/05/27

九曜紋

7
再読本。1996年刊。24年前の本だが、中国人とは何か、中国という国はどんな国かという本質を理解するためのテキストとしては色褪せない内容だろう。「幇」、「宗族」といった排他的同属関係が近代的法概念より優先する社会というのはなかなかに想像し難い。ただ、この本が書かれて四半世紀。社会主義市場経済が大発展を遂げた現在の中国を著者ならどう観るか、今は亡き著者に問うてみたい。2020/08/21

koheinet608

7
中国理解で、これほど、面白く、’深く、そして明快な本は、ないといってもよいと思う。出版は96年と、既に20年は経っているが、定期的に読み返す名著。博覧強記の小室先生による中国論。これ読まずして、中国は語れないほどの内容です。残念ながら小室先生は亡くなっていますが、氏の弟子達は、広範囲に渡って活躍しています。橋爪大三郎、宮台真司、山田昌弘等。日本の学術界からは、氏は全く相手にされず、奇人、変人として扱われたが、氏の残した著作と弟子達は、本当に素晴らしいと思う。こういう人を、本物の教育者と呼ぶのだろう。2017/10/29

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