内容説明
「もうたくさんじゃよ」ある朝のこと、おじいちゃんが言いました。年をとって体が動かなくなったし、もういろいろなことをやりつくしていまった、というのです。孫のペピート少年は、おじいちゃんに言われるまま、おじいちゃんをのせた荷車をひいて、山の上のがけを目ざしてのぼっていきますが…。おじいちゃんと、孫やまわりの人たちの交流をあたたかく描きだす、やさしい物語。小学校低・中学年から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♪みどりpiyopiyo♪
20
戦前のチェコ生まれのドイツの作家の児童書です。■生きるのがすっかり嫌になったおじいちゃん。孫に引かせて山の上の崖を目指します。緊張感の中に様々な想いが交錯し、とても暖かいお話でした。人々の距離感が心地良くて。■巻末の作者からの言葉と訳者あとがきも優しく暖か。「生きるということは、どういうことでしょう。年をとるということは、どういうことでしょう。…でも、年をとったときのことを考えるのに、早すぎるということはありません。」「もしみなさんがそういう人に出会ったら、どうか力づけてあげてください。」■「ヤッホー！」2016/08/01
於莵丸＠灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
5
自暴自棄になった老人の逆・姥捨て山。小学生時、読書感想文の課題図書でした。当時の感想は『うわ……全ッ然面白くねぇ』(笑)しかし“大切なものは目にみえない”と言いますが、成程。これは深読みさせて察する図書だわっと(どおりで話の面白さ重視の私はお手上げだった訳ですよ／苦)。歳を重ねるって、身体的な衰えだとか何かとマイナスな面が目につきますが、大切なのはそういう表面的な事じゃない。年輩の方の知己に富んだ経験や知恵は、大切な宝ですよね。それは当人すら気付かない宝なのやもしれません。2011/01/16
joyjoy
3
おじいちゃん、これまでの人生での様々な人々との関わりがあったから、荷車での山登りの道中も、いろんな人から声をかけてもらえたんだろうな、と。残されたのは孫だけ、ではなかったね。また、これから先得るものも、まだまだたくさんありそうだね。おじいちゃんの「ヤッホー！」に嬉しくなる。帰り道、楽しそうだ。下り坂も悪くないね。2022/01/15
いちごプリン
3
私のまわりの老人たちも、指が思うように動かなくなったり、字を読むのさえ、難しくなったり、腰やひざが痛かったり、夜眠れなかったり、病気になったり。みんなでも、百歳体操など参加したり、私と一緒にグラウンドゴルフしてる老人たちも、まだまだいるので、大丈夫でしょう。2014/10/10
ねええちゃんvol．2
2
★★★ やや暗くて難しいかんじだけど、深い。 国語の問題に使えそうな。おすすめ：４年生から2010/11/10
