内容説明
光輝3年、火星移民国に生まれた真継龍一郎は8歳で両親を失い孤児となった。養父母になってくれたのは小惑星帯の仁侠集団寺島組の組長夫婦。わが子のように愛され立派な侠客となった龍一郎は、26歳の時、組主催の賭博の会で起きた殺人事件で罪を被り、流刑星タイタン送りとなる。10年後、刑を了えた龍一郎を待っていたのは組長の訃報だった…。仁侠映画の面白さとSFが結合した痛快スペース・オペラ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinnov
31
義理と人情、秤にかけりゃ義理が重てぇ渡世じゃないか。東映任侠映画の様式をそのままに、SFの世界を再構築した驚愕の傑作。端から端まで『昭和残侠伝』シリーズ等で完成された任侠映画の様式・形式の美学に溢れている。なんてぇ作品を残したんだヨコジュン。しかも任侠映画の仕草をSFガジェットで再現するSF魂の徹底ぶり。泣かずに読めるか。頭の中では唐獅子牡丹が延々と流れていた。紺の宇宙服(きもの)のしつけの針金をペンチで抜き取り、死地に向かう任侠の旦那に黙って差し出す女房の姿等、この作品でしか描けない名シーンばかりだ。 2019/01/17
白い駄洒落王
3
宇宙服をきものと称したりふり仮名は面白い。内容は任侠作品を宇宙にもってきただけ。特筆すべきものはない。 2013/03/14
冬至楼均
2
ヨコジュンらしくない、でもヨコジュンにしか書けない名作。2015/05/31