内容説明
芙蓉鎮は湖南、広東、広西の3省が境を接する谷あいの平地にある古いいなか町。25、6歳の若妻胡玉音は市の立つ日ごとに米豆腐を売る屋台店を出す。美人で気性がやさしく客あしらいのよい彼女の店は、いつも大繁昌。コツコツとためたお金で亡き両親が残してくれた古い宿屋を建てなおすが、やがて文革の嵐がこの山里まで押し寄せ、彼女は資本家階級のレッテルをはられて苛酷な運命に見舞われる。夫は死に追いやられ、彼女に同情的態度をとった町の有力者や党幹部は失脚、店も宿屋も取りあげられた彼女は…。政治の波浪に浮き沈みする女の半生を描く。