文春文庫
螺旋階段のアリス (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 291p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167907013
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

憧れの私立探偵に転身を果たした仁木の前に、猫を抱いた助手志願の美少女・安梨沙が現れる。二人が挑む、心温まる七つの謎の物語。大企業のサラリーマンから、私立探偵に転身を果たした仁木順平。しかし憧れのハードボイルドな事件の依頼は皆無、事務所で暇をもてあましていた彼の前に、真っ白な猫を抱いた桜色のワンピースの美少女・安梨沙が迷いこんでくる。

・初めての依頼人は、先月夫が亡くなり、貸し金庫の鍵を探してほしいという主婦。金庫の鍵は家の中にあるというのだが、完璧な主婦の目から逃れられた隠し場所とは? ……「螺旋階段のアリス」

・自分が浮気をしていないという調査をしてほしいと依頼する若い美女。夫の出張中、二人は彼女の行動を見張るが。 ……「裏窓のアリス」

・行方不明の犬を探してほしいという老婦人。死んだ夫が三十年も前にプレゼントしてくれたというその犬は、老婦人の妄想の中の〈幻の犬〉なのか?……「中庭のアリス」

・ビルの地下にある、誰もいない鍵のかかった書庫で、延々と鳴りつづける電話の目的を知りたい――〈地下室の番人〉山端から依頼を受けた仁木は、久しぶりに元の会社を訪れる。 ……「地下室のアリス」

・仁木の古い知り合いである真栄田氏は、妻が自分を週に数回用事を頼んで外出させる理由を知りたいというのだが。……「最上階のアリス」

・産婦人科の院長から、赤ん坊の世話を頼まれてしまった二人。探偵の仕事ではないと憮然としながらしぶしぶ引き受けるが。……「子供部屋のアリス」

・休みに入ったまま現れない安梨沙。心配を募らせる仁木のもとに一人の男が現れる。……「アリスのいない部屋」

心あたたまる七つの優しい物語。

加納 朋子[カノウ トモコ]

内容説明

大企業のサラリーマンから、憧れの私立探偵に転身を果たした仁木順平。事務所で暇をもてあましていた彼の前に、真っ白な猫を抱いた桜色のワンピースの可愛らしい少女が迷いこんでくる。探偵助手志願の美少女・安梨沙とコンビを組んだ仁木のもとに様々な事件の調査が舞い込む。心あたたまる七つの物語。

著者等紹介

加納朋子[カノウトモコ]
昭和41(1966)年、福岡県北九州市生まれ。文教大学女子短期大学部卒業後、化学メーカーに勤務。平成4年、「ななつのこ」で第3回鮎川哲也賞受賞。平成6年発表の短編「ガラスの麒麟」で、第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)受賞。平成7年に退社して作家専業となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yanae

78
ずっと気になってた加納さんのアリスシリーズ、周りから聞こえる評判通り面白かったです。加納さんは文章も読みやすいし、日常ミステリーを書くのが本当に上手だなぁ。早期退職制度を使って探偵になった50代の仁木と、初日に探偵事務所を訪ねてきた助手希望の通称アリス。人探し、犬探しから張り込み。依頼の真相はビックリするものから心暖まるものまで。最終話はアリスと仁木の家族も出てきてちょっと感動した。あと真栄田さんのエピソードは素敵だったな。次のシリーズもあるようなので読みたいと思います。2017/08/23

七色一味

67
読破。人の死なない、そしてタイトルをみておわかりのように、全編『アリス』愛溢れる作品です。まぁオマージュ的作品では…ない、と、思いますが…(^_^;)☆『転身退職者支援制度』なるモノを活用して?私立探偵になった(笑)中年男性と美少女『アリス』ならぬ安梨沙のコンビの、七編の日常系ミステリー作品なんですが、一番のミステリーは安梨沙です(笑)そう思ってたら、最後にちゃんとその部分も回収してくれました。2017/01/05

ゆきちん

58
早期退職制度を利用して探偵を始めた50代の仁木と、初日にチラシを見て助手希望で訪ねて来た少女通称アリス。二人の共通点はアリスの世界が好きな事。人探しやペット探しや鍵探し、浮気してない証拠集め果てはベビーシッターまで、依頼をこなしながら二人で謎を解いていく。一番ミステリアスだったアリスの謎も。雰囲気のよい読みごこちです。続編「虹の家のアリス」へ2017/09/14

みっぴー

51
ちょっとずつ読もうと思ったら一気読み。加納さんの空気のような文章が大変心地よい短篇連作ミステリーです。おっさん探偵と、美少女助手の組み合わせで、『ふしぎの国のアリス』をモチーフとした謎に挑みます。『中庭のアリス』と『最上階のアリス』が特に良かったです。白だと思っていたものが黒になり、黒が灰色になる。"日常の謎"を得意とする作家の例に漏れず、その緻密な心理描写に舌を巻きます。ややもすればイヤミスに着地しかねないストーリーを、安梨沙が緩衝材となって、衝撃を分散してくれています。続編も必読(・∀・)2018/08/01

ジンベエ親分

51
脱サラして探偵事務所を始めた冴えない50男のところに探偵助手希望の少女が転がり込んでくる。この安梨沙の人物造形が素晴らしく、主人公の順平と同じく50男の読者(つまり私)に夢を与えてくれる(笑) あ、ただし順平にも妻がおり、別にこの2人が色っぽい関係になるわけではないが。連作短編の形式でそれぞれミステリーとなっているのだが、読者的に気になるのは安梨沙の謎。もっとも各短編も「不思議の国のアリス」をモチーフにしていて、安梨沙のキャラと相まってフワフワした独特のムードがあって心地良い。続けて続編へ。2018/02/15

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