出版社内容情報
カイロの卵かけごはんの記憶、「アメちゃん選び?」は大阪の遺伝子、ひとり寿司に挑戦、夢は男子校寮母…美味しオカしい食エッセイ。
直木賞作家・西加奈子はこんなものを食べてきた!
カイロの卵かけごはんの記憶、「アメちゃん選び?」は大阪の遺伝子、ひとり寿司に挑戦、夢は男子校寮母…美味しオカしい食エッセイ。
内容説明
アルバイト先で初めてつくったまかない料理の肉じゃが、子どもの頃カイロで食べた卵かけごはんの特別さ、朝起きて最初にする珈琲儀式、大声で大好きって言えなくてごめん!たこ焼き―カイロ&大阪育ちの幸せな食オンチが「ごはん」にまつわる「キラキラ」を綴ったエッセイ。敬愛する料理人・竹花いち子氏との対談を特別収録。
目次
肉じゃがバター
カイロの卵かけごはん
アメちゃんのDNA
珈琲儀式
活字のごはん
舐める春
旅の悪食
日常の悪食
甘い恋
脱ビール、でもビール〔ほか〕
著者等紹介
西加奈子[ニシカナコ]
1977年テヘラン生まれ。カイロ、大阪で育つ。2004年『あおい』でデビュー。05年、2作目『さくら』がベストセラーに。07年『通天閣』で織田作之助賞、13年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、15年『サラバ!』で第152回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
312
20年モノのコーヒーメーカーやポテトマッシャーの擬人化に笑い、異国での卵かけごはんがいちばんという記述に深くうなずく。少し前まで女流作家に美人ナシと言われてたけど、こんな美しい作家さんが、あんなにあったかい作品描くんやねぇ。あたしもたこ焼き大すっきゃー(笑)2017/01/08
りゅう☆
107
「料理が好きだ」から始まる西さんの料理への愛情が詰まったエッセイ。西さんってイランとエジプトに住んでたのね。意外な経歴にビックリ。活字だからこそ実際よりも美味しそうに思えることに大いに納得。旅行中に食べるお菓子はやっぱり勿体ないような、初ひとり寿司のドキドキ感あり、初デート・店・オーダー・得意料理への正解に対するこだわりになるほど~と思ったり、初めて作った出汁のない味噌汁に愛おしさ感じたり、ゼイナブさんとの別れでは涙が溢れそうになったり。ハナコって西さんの実話かな?食べる大切さを改めて実感しました。2016/10/16
しいたけ
103
大阪出身でたこ焼き・お好み焼きが大好きなのに、ベタすぎて恥ずかしいという。大阪のお店でたこ焼きを食べるとき、旅行者を装い「ふうん、大阪のたこ焼きってこんな味なんだ」という顔を作るという「その、いらぬ自意識」に大笑い。まっすぐな食への愛と、何だかごちゃごちゃしたところがある西さんの面白さが、紙面いっぱいに溢れている。写真を載せていないところも、「文字」への西さんの絶対的な信頼があらわれていて良い。文庫版には、料理人竹花いち子さんとの対談が入っている。西ワールド、ごちそうさま。美味しかった。2016/06/07
卵焼き
92
一気に読了しました。西さんの作品は数冊読了していましたが、エッセイは面白かった。カイロでの生活など、あっと言う間に読み終わりました。2021/12/22
ホークス
81
西さんが随所に放り込む「なんでや」とか「やったるでー‼︎」などの突っ込みが心の奥を刺激し、嬉しさの様な笑いの様なものが湧き出す。なんとも人間臭く、可愛く、ポップな言葉とリズム。大阪人だからそう感じるのかもしれないが、とにかくわくわくしてページをめくり続ける。飲み会で手持ち無沙汰になり、つい酒をごくごく飲んでしまうという話は、西さんのその時の気分まで伝わってくる。大阪人は地元の食べ物を素直に好きと言えないというのは人によると思うが、「いらぬ自意識」が原因というのはよく分かる。美味しいという感覚に満ちた本。2016/06/05