出版社内容情報
子育ての不安から、やりがいのある仕事と自己実現まで――若い世代の不安に向き合い、近代に固有の呪縛を解く、画期的一冊!
『逝きし世の面影』の著者が贈る、目からウロコの人生指南!
子育ての不安から、やりがいのある仕事と自己実現まで――若い世代の不安に向き合い、近代に固有の呪縛を解く、画期的一冊!
内容説明
歴史家・渡辺京二と、三砂ちづるゼミの学生たちによる、奇跡のセッション。子育て、学校教育、自己実現、やりがいのある仕事…いまの女子学生たちの様々な悩みに、近代とは何かを探求し続けてきた老歴史家が真摯に答えていく。私たちの社会に固有の生きづらさの起源を解き明かし、存在の原点に立ち返らせる、生きた思想の書。
目次
1 子育てが負担なわたしたち
2 学校なんてたいしたところじゃない
3 はみだしものでかまわない
4 故郷がどこかわからない
5 親殺しと居場所さがし
6 やりがいのある仕事につきたい
7 自分の言葉で話すために―三人の卒業生
無名に埋没せよ―渡辺京二
著者等紹介
渡辺京二[ワタナベキョウジ]
1930年、京都生まれ。大連一中、旧制第五高等学校文科を経て、法政大学社会学部卒業。評論家。河合文化教育研究所主任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くり坊
11
津田塾大学(三砂ちづるゼミ)の学生さんたちと、1930年生まれの歴史評論家渡辺京二との三日間ほどの(合宿ゼミ的な)交流記。学生たちの卒論テーマから溢れ出て抱え込んだ疑問やもやもやを受けて、渡辺氏が好き勝手に喋るという、渡辺氏のゆるい感じが良い。「若い、女子、大学生の悩み処」ってそんなに変わらないなぁ、などと思いながら読んだ。//「平凡な社会人になったらもう学問とは縁がない、とは思わないことです。普通の平凡な社会人でもちゃんとした読書人にはなれます。」そしてテーマを見つけたならばそれを持ち続けること。2015/01/07
シモネッタ
5
人間は何のために存在しているのか。リルケは世界が美しいからじゃないかと考えた。その答えは本誌にて2018/05/06
belier
3
どこかで見たような書名の本だ。2011年3月、東日本大震災の直前に熊本で行われたという勉強会の記録。案にたがわず、女子学生相手に渡辺京二節がさく裂していた。思いつきでしゃべる渡辺の説教をしっかり受け止めてようとしている女子学生は立派。でも、さすが年の功。社会の役に立たなくていいとか、自己実現は欺瞞だとか、新社会人になる人たちとっては心を軽くするいい話ではなかったろうか。2022/05/26
陽之理
1
渡辺京二の本としてそれほどいいわけではないけど、最後に書いているように、恥も外聞もなくさらけ出してるところは返って清々しいか。2018/02/02
こりら
1
全部をくまなく丁寧に読んだわけではないが、卒業論文を書き終えた女子大生と80歳の渡辺京二さんのセッション。津田塾の三砂先生のゼミの学生と年代が近いため、問題意識が似ていたし、論文を書き終えても納得いく答えはそう簡単に出ず、これからも考え続ける課題というのを改めて感じました。2017/01/24