文春文庫
大仏破壊―ビンラディン、9・11へのプレリュード

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 405p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167717216
  • NDC分類 302.262
  • Cコード C0195

内容説明

2001年3月、アフガニスタンのバーミアン大仏がタリバン政権によって爆破された。その裏には半年後の「9・11」、そしてテロ戦争へ突き進むビンラディンとアルカイダの策謀が蠢いていた!綿密な取材、壮大なスケールで9・11の前奏曲「大仏破壊」の真実が明らかに!大宅荘一賞受賞の力作ノンフィクション。

目次

二つの破壊
隠遁者
姿の見えないカリスマ
オサマ・ビンラディン
大仏・第一の危機
オマルの激怒
ビンラディンの贈り物
「アメリカ」の衝撃
ムタワキルの抵抗
アメリカ帰りの新政策
ビンラディンのメッセージ
密使
破壊を阻止せよ
アッラー・アクバル
届けられたテープ
大仏は、なぜ破壊されたのか
特別インタビュー「アフガニスタンは変わったか」田中浩一郎

著者等紹介

高木徹[タカギトオル]
1965年東京都生まれ。NHKにディレクターとして勤務し、NHKスペシャル「民族浄化」「バーミアン」「情報聖戦」「インドの衝撃」などを担当。著書『戦争広告代理店』(講談社文庫)で講談社ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞、『大仏破壊』で大宅荘一ノンフィクション賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiko

74
ソ連撤退後のアフガニスタン。部族間の争いが混乱を極める中、救世主のように現れたタリバンがなぜビンラディンと繋がり、国際的な非難の中バーミアンの大仏を破壊するに至ったのか?タリバンとアルカイダの区別もつかなかった私には、ISILにも通ずるイスラム過激派の入門書ともなる一冊だった。民族間の争いに部外者は出来る限り介入すべきではないのでは…アルカイダ台頭の経緯を読むに、その考えがいかに浅いものか今はよく分かる。 著者の本は三冊目。どれも読み応えがあり、知らなかった世界について深く考えさせられる。お勧め!2018/09/06

ntahima

41
陰謀論者は合衆国政府やユダヤ、財閥等の特定集団があたかも一枚岩で動いている様に考えがちであるが、実は集団なんてものは構成員一人ひとりの思惑の集合体に過ぎない。日本株式会社なんて存在しない。一般にタリバン&アルカイダは絶対悪の存在とされるが、少なくともタリバンについては、内部に様々な思惑が渦巻いていたことが分かる。郊外の神学校の無学な管理人に過ぎなかったオマル師がアフガニスタン全土を支配するようになる過程は、先日読み終えた『完全教祖マニュアル』の記述を思わす“教祖誕生”ぶりである。読後感は“泥の様な徒労感”2012/11/16

読書ニスタ

35
ビンラディンという寄生虫がアフガニスタンを実効支配していたタリバンに取り憑き、内部から食い破っていく醜悪な物語。金があって、教養があって、武力があって、イスラムの正統性があって、そして、悪意がある集団に、タリバン田舎侍が、飲まれていく様。仏像が破壊させた宗教的意味や、文化的な意味は無い、ただの乗っ取り。アフガニスタンという、僻地からの悪意が、世界を震撼させたことが恐怖。核を使った人類は、今日、コロナが社会を経済を破壊することを知った。きっと誰かが生物兵器を使うだろう。2020/03/18

rokubrain

18
2001年の9.11アメリカ同時多発テロ事件の火元はアフガニスタンにあった。 その半年前にバーミアンの大仏がタリバン政権によって爆破された事件は、 アルカイダが国際テロに突き進む象徴的な序章だった。 なぜ、アフガニスタンだったのか? 紀元前から続く文明の十字路の地にビンラディンはイスラムの理想郷はここだと号令をかけた。 その戦略は何か?前作同様、著者高木さんがPRの重要性をテーマにしていたことが伺えた。 PRは商品を売るためだけではなく、国際関係や外交、戦争のためにもある。2020/10/12

hide

14
元は神学生の世直し運動として始まった純朴な改革団体タリバンが、客人として保護したビンラディンと私兵組織アルカイダに乗っ取られていく様子が、タリバンの国際社会からの孤立・ビンラディンの宣伝工作に触れながら語られている。大仏破壊や9・11という結末を知っていても、『戦争広告代理店』の著者による巧みなストーリーテリングでページをめくる手が止まらなかった。/当たり前だがタリバンも一枚岩でなく、大仏を守ろうとした穏健派もいたのだ。孤立して過激化してしまったことがただただ悲しく感じた。2022/02/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/488371
  • ご注意事項