出版社内容情報
心ときめかせて聞いたエロテープは死の演奏の序曲だった! 意外な事件へ発展し、日本全国にわたって謎を追う。社会派推理傑作長篇。
セクシー・テープから意外な事件が展開する
心ときめかせて聞いたエロテープは死の演奏の序曲だった! 意外な事件へ発展し、日本全国にわたって謎を追う。社会派推理傑作長篇。
内容説明
ラブホテルで盗聴したテープを心ときめかせて聞いた雑誌編集者の宮脇平助は、それが死の演奏への序曲だと知った。そして映画監督久間隆一郎とともに、事件を追及しはじめる。柏崎、甲府、東海道、尾鷲、九州…次第に、選挙違反の黒いネットワークと殺人事件との結びつきが浮かび上がってくる推理長篇。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909(明治42)年12月、福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)に生れる。53(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年「日本の黒い霧」などの業績により第6回日本ジャーナリスト会議賞受賞。67年第1回吉川英治文学賞受賞。70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しーふぉ
23
新潟や山梨、三重など舞台が色々出て来るのが魅力です。名探偵役の葉山の怪しさが拍子抜けというのと、映画監督が途中から関わらなくなってそのままというのは?纏めきれなかった印象です。2021/01/09
ねこミー
14
松本清張氏の作品を数作読了済みのため、推測しながら読めましたが、最終ページまで読まないと結論がわかりませんでした。中盤は結構心理戦でした。2023/07/02
安部圭二
13
主人公の宮脇はなんとフットワークが軽いんだろう。昭和30年代。いまの高級住宅地、田園調布は当時は田舎。飛行機どころか新幹線も無い時代、宮脇は夜行列車を使ってどこまでも行く。信州の山奥にも、静岡にも、最後には九州、湯布院まで。そこまで彼を駆り立てるのは、ただひとつ、ラブホに仕込んだ隠しマイクから録音された、殺人をほのめかす会話への好奇心。そして事件が詰まってくるにつれ、相棒となるはずの葉山との不調和音。これが題名の由来だろうか。ミステリーとしてよりも、当時の生活の様子のほうが興味深い。2016/01/13
瑞穂
12
雑誌者の宮脇平助が仕掛けたホテルの録音テープには、殺人後の遺体をどう処理するかの相談が入ったいた。昭和30年代に書かれているので、移動も夜行列車、バスと1日がかりだ。連絡も葉書、電報、公衆電話などを駆使する。葉山と組み真相を追うが、途中から葉山に不審を感じる。それでも、地道に何度も布田に足を運び、刑事さながら近所のに人に聞き込みをして、真相を追う。若い女、南が殺害され、南田菊子も行方不明になる。秋芳の選挙参謀の千倉の居場所は?序盤から話しに引き込まれた。松本清張はやはり長編が面白い。葉山には、やられたな。2020/10/21
ゆうみ
9
松本清張3作目。作者のミステリーは一緒に探偵をしている気分になれる。時代を感じる描写も好きだし、楽しくて一気読み。2021/01/17