内容説明
18歳当時、5人の女性を強姦した上で殺し、死刑判決を受けた希代の殺人鬼・穂積壱郎。その穂積を取材し浮上を図る事件記者の加瀬。厚い壁の中で保護され、死刑への恐怖心をまったく抱かない殺人鬼に復讐することは可能なのか?綿密な取材に裏打ちされた迫真の描写で死刑制度に新たな光を当てるサスペンス。
著者等紹介
永瀬隼介[ナガセシュンスケ]
1960年、鹿児島県生まれ。週刊誌記者を経て独立。フリーのジャーナリストとして、主に犯罪ノンフィクションを手掛ける。2000年、初の小説『サイレント・ボーダー』を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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JILLmama
23
18歳で女性5人を強姦し殺害した殺人鬼、穂積。 穂積のルポを執筆するべく、彼に接触し続ける加瀬。中国残留孤児の子供達。。。刑務官。 様々な登場人物が、穂積によって翻弄されていく。 死刑を執行する刑務官のリアルな心情は、昔読んだ13階段を思い出した。途中から一気に面白くなり一気読みが出来たけど、ラストが尻つぼみだったー。面白かっただけにそこが残念。2016/12/23
Pil
19
デッドウォーター。出口のない腐り水。この世は所詮デッドウォーターなんだと呟く死刑をも恐れぬ稀代の極悪人。そして復讐に燃える男達。人間なんて弱く脆い生き物であって神になんてなれないんだなんて事を改めて。しかしながら、死刑執行の描写には度肝を抜かれた!そこだけでも一読の価値あり!★★★★★ ★★2019/11/19
くまちゃん
19
先日、中村文則さんの「何もかも憂鬱な夜に」を読んだ。死刑執行人の辛さを書いた重い小説だったところが似ている(こちらの主な内容ではないけれど)。死刑囚(になりそうな殺人犯)を中心に、小説を書こうとルポするライター、犯人の昔の知り合い、死刑執行人、犯人に洗脳され自殺に追い込まれた人物の家族など、いろんな側からの目線で話は進む。2018/06/17
きあら
17
5人の女性を殺害した死刑囚穂積、取材する事件記者の加瀬。取材を続ける中で2人が繋がる。死刑を恐れない殺人鬼への復讐は可能なのか?そして"至高"の正体とは。穂積との面会で搦めとられ消耗する加瀬が、かつてノンフィクションライターだった著者とダブって見えてくる。そして死刑執行のシーンには圧倒される。重い話しだけど前向きな最後に救われる。2020/05/24
柊子
12
面白かった・・・けど、誰かに洗脳されるというのが、どうしても理解できない。まあ、オウムの例もあるから、あり得ないことではないのだろうが。2015/05/09