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文春文庫
聖水

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  • サイズ 文庫判/ページ数 373p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167685010
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「聖水」は本当に奇蹟の水なのか。佐我里さんは教祖か、詐欺師か?死を目前に衰弱しながらも、聖水の効用を信じ続ける父と、佐我里さんの商法に反発を覚える息子。スーパーの経営権を巡る騒動と、新興宗教の様相をおびる聖水信仰。死にゆく者にとっての救済とは何かを問う芥川賞受賞作を始め、4篇を収録。

著者等紹介

青来有一[セイライユウイチ]
1958年、長崎市生まれ。長崎大学卒業。長崎市在住。95年に「ジェロニモの十字架」で文学界新人賞を受賞した。以降、発表作が次々と芥川賞候補作となり、2001年、5度目の候補となった「聖水」で第124回芥川賞を受賞。ストーリーを編み出す力や精緻な描写力は、多くの選考委員から高い評価を得た
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

292
青来有一氏は長崎県内の高校を卒業後に長崎大学へ、そして勤務先も長崎市役所と、ひたすらに長崎一筋の人。したがって、本作の舞台は当然に長崎。その浦上なのだが、浦上といえば原爆の爆心地だ。そのことも小説に影を落としているが、それよりも、この地にも伝わる隠れキリシタンの信仰の方がより関わりが深い。芥川賞の選評で池澤夏樹氏が「生きていくには信心はいらないが、死んでいくには信心がいる」といういう点に本編のテーマを求めているが、ここではまさに生者にとっての信仰への懐疑と、死にゆくものが求める救済とが鬩ぎ合うのである。2016/01/02

kaizen@名古屋de朝活読書会

152
芥川賞】「聖水」商売をしている父、銀行勤めを止めて地元に戻った息子。2人の設定はありふれている。役員として招いた父の知人。「聖水」を売る、宗教めいた行動。古物再生業と水の販売。隠れ切支丹、労働の対価で水と交換できる紙。怪しげな話がどこまで続くか分からないままに終わる。やや物足りなさを感じた。それが文学なのかも。2013/12/28

ω

55
表題作で2001年に芥川賞ω 5度目のノミネートでようやく受賞され、この文庫にはそのうち4作が収められています。つまり4作全て芥川候補作!?そんなのって珍しくないすか😳なのにこの登録者数で驚き。遠藤周作のエグさも感じられる、きちんとした純文学。2022/02/19

財布にジャック

51
長崎が舞台なので、当然原爆やキリシタン絡みだったりします。賞をとった2編は勿論読み応えのある力作だと感じましたが、それよりも「泥海の兄弟」が一番印象に残りました。重くて嫌な話ですが、心に響いてくる何かがあります。あまり芥川賞作家さんは得意ではないのですが、読んでよかったです。2013/09/23

miyatatsu

10
久しぶりにちょっと小難しい本を読んだのでなれるのに手間取ってなれるのに時間がかかりましたが、面白かったのです。2018/03/03

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