文春文庫<br> High and dry(はつ恋)

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文春文庫
High and dry(はつ恋)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167667030
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

14歳の秋。生まれて初めての恋。相手は20代後半の絵の先生。ちょっとずつ、ちょっとずつ心の距離を縮めながら仲良くなっていくふたりに、やがて訪れる小さな奇蹟とは…。毎日を生きる私たちに、ひととき魔法をかけてくれる、美しい魂の物語。かわいらしいイラスト満載で、心がぽかぽか温まる宝石のような一冊です。

著者等紹介

よしもとばなな[ヨシモトバナナ]
1964年、東京生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。87年、「キッチン」で海燕新人文学賞、88年、単行本『キッチン』所収の「ムーンライト・シャドウ」で泉鏡花文学賞、89年、『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。アメリカ、ヨーロッパなど海外での評価も高い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

230
作者のメッセージ、それは同時に作者にこの小説を書かせることになった着想であり、そして主題でもあるのだが―「この体験は一生に一度しか起こらない」というもの。このメッセージ性が強すぎて、小説が膨らみを欠いたのは残念だ。恋の物語としてはあまりに単調である。キュウくんは年齢の割には子供っぽ過ぎるし、周りの大人たちは物分りがよ過ぎる。逆に、いいところを挙げれば、冒頭「十四歳のその秋のはじまりは、何かを予感するみたいに、世界中が完全な色に輝いて見えた」―素晴らしいオープニングだ。そして、随所に見られる色彩の煌きか。2014/07/21

はらぺこ

70
可愛らしい表紙やったんで気軽に読めると思ってたんですが、主人公もキュウも難しく考え過ぎ。もっとシンプルで良いと思う。重い内容でもないのに読むのん疲れた。 挿絵(キュウの絵?)は内容と合ってないので邪魔に感じた。せめて背景だけでも内容に合った風景なら良かったのになぁ。2013/03/27

風眠

67
(再読)14歳の女の子の初恋物語をベースに、人と人、そして人ならぬもののつながりを大切に書きました的な、よしもとばななの使命感が強く感じられる物語。ちょっと背伸びしていて、でも自分の中の子どもの部分も認めている14歳の夕子の可愛さと、20代後半になったからってどうにもできない自分の弱点を見せるキュウの正直さと、そんな二人を心配しながらも信じて見守る大人たちと、ときどき気配を残してく小さなものたちと。ファンタスティックな物語の中でも、登場人物それぞれが心の向きをまっすぐ見つめてる。その素直さに感動した。2012/10/07

masa@レビューお休み中

60
はつ恋って、ほろ苦くて甘いというけど、本当はそれって嘘かもしれない。時間は想いを熟成させる。熟成した想いは寝かしたワインのように豊かな風味をもたらす。だからこそ、遠い記憶をまさぐる行為というのは、怠惰で甘美なのだ。14歳の恋は甘くない。一生懸命ともちょっと違う。ちゃんとわかってる。自分のことも、相手のことも、二人の関係がどこに続くかということも…。知っているからこそ、嫉妬したり、憧れたり、限界を感じたりする。次も、先もないから力の限り好きでいられる。はつ恋は完璧で完全なる行為なんだ。2012/07/20

kana

44
14歳の、青春より少し前の、ザ思春期なんだけどそこまで荒んでない甘酸っぱい初恋の日々をファンタジックに描いたよしもとさんらしい作品。何にぐっとくるって初恋のキュウくんのことはさておき、海外にいて少しずつ母親との心の距離が離れていく父親を想う、夕子のもやもやした気持ちに。子供の頃、親の発言や行動は子供に多大なる影響を与えるのに、その影響一つ一つはささやかで、目に見えなくて見過ごされがちなんだよなーということを思い起こすのです。キュウくんとの永遠にも思える一瞬のひとときはとても尊くて素敵。2015/03/16

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