内容説明
「文明から離れては生活できんという人間は、文明とともに滅びるかもしれん」。資本主義がゆきづまった後は、今の文明に中毒していない人間が生き残り、新たな時代を拓いてゆく…。今西錦司の壮大な未来予測に始まり、犬養道子の民族論、高坂正堯の政治論、山村雄一の宗教論など、人類としての日本人を見つめ将来を想う。
目次
人類を救うのはアフリカ人(今西錦司)
“あっけらかん民族”の強さ(犬養道子)
政治に“教科書”はない(高坂正堯)
人間について(山村雄一)
日本人の内と外(山崎正和)
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
大正12(1923)年、大阪市に生れる。大阪外国語学校蒙古語科卒業。昭和35年、「梟の城」で第42回直木賞受賞。41年、「竜馬がゆく」「国盗り物語」で菊池寛賞受賞。47年、「世に棲む日日」を中心にした作家活動で吉川英治文学賞受賞。51年、日本芸術院恩賜賞受賞。56年、日本芸術院会員。57年、「ひとびとの跫音」で読売文学賞受賞。58年、「歴史小説の革新」についての功績で朝日賞受賞。59年、「街道をゆく“南蛮のみちI”」で日本文学大賞受賞。62年、「ロシアについて」で読売文学賞受賞。63年、「韃靼疾風録」で大佛次郎賞受賞。平成3年、文化功労者。平成5年、文化勲章受章。平成8(1996)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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レアル
50
こういった対談本は隙間時間を活用して読むようにしていると、いざレビューを書こうとすると前半部分を忘れつつあるのが問題なのかもしれない(笑)この巻は宗教や幕末、生死等多様なテーマについて対談しているも比較的分かり易い、そして読み易いテーマを取り上げられているのが特徴なのかもしれない。中でも日本人の宗教観の話から始まって日本人の国民性について対談した「‘あっけらかん民族‘の強さ」が印象深かった。2018/11/08
ロマンチッカーnao
22
宗教について、関西について、文明について、縦横無尽に語ります。司馬さんは、大阪のそれも東大阪という、大阪でも中心部から離れたところに住んでましたが、そこから見た関西人気質みたいな事も話しており、大木きな話から、小さな話しまで、どこをとっても、勉強になるし、面白い。2015/09/10
時代
16
なるほどねぇ。いろいろ勉強になる。山村雄一氏との対談で人体の事、細胞の事が特に興味を引いた。司馬さんの幅広い知識の深さにも羨望した◯2020/08/31
MIU
9
今年中に読み終わる事が出来ました!一寸空いた時間に読める様にと常に持ち歩いて居たにも拘わらず、更に対談にも拘わらず、人間の考えうる限りの時空に散在する様々な事象を一気に串刺しにする「一言」が余りに多く、出て来る度に立ち止まって考える事を強いられた本でした。司馬氏の著書を余り読んで居なかった事を実に恥じました。良い年の〆を与えて下さったこの本に感謝しつつ、様々の本との出会いを与えて下さった皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さい。2013/12/31
VAN
3
司馬さんの書籍の中で対談物はあまり好きではなかったのだが、この一冊だけはいままでのボクのそうような見方がひっくり返された。対談相手と司馬さんとの付き合いが長く、相互に理解しあっている間柄なのかもしれないが、対話がしっかりとかみ合い、進むごとに広くかつ深くなっていくので、ついつい夢中になって読んでしまっていた。いままで読んだ司馬さんの対談集の一番として推したい。2020/10/23