内容説明
司馬遼太郎の「対談」は彼の作品であり、そのなした厖大な仕事の山脈のひとつである―そのような考えに基づいて編まれたこの対話選集は、各界の第一人者60人と縦横に語り合った、司馬対談の集大成といえる。第1巻には湯川秀樹との「日本人の原型を探る」、E・O・ライシャワーとの「日本人物史談」等、6篇を収録。
目次
歴史の夜咄(林屋辰三郎)
日本人の原型を探る(湯川秀樹)
鎌倉武士と一所懸命(永井路子)
日本人物史談(E.O.ライシャワー)
多様な中世像・日本像(網野善彦)
天下分け目の人間模様(原田伴彦)
仕事の主脈のひとつとしての対談・座談―解説・解題(関川夏央)
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
大正12(1923)年、大阪市に生れる。大阪外国語学校蒙古語科卒業。昭和35年、「梟の城」で第42回直木賞受賞。41年、「竜馬がゆく」「国盗り物語」で菊池寛賞受賞。47年、「世に棲む日日」を中心にした作家活動で吉川英治文学賞受賞。51年、日本芸術院恩賜賞受賞。56年、日本芸術院会員。57年、「ひとびとの跫音」で読売文学賞受賞。58年、「歴史小説の革新」についての功績で朝日賞受賞。59年、「街道をゆく“南蛮のみち1”」で日本文学大賞受賞。62年、「ロシアについて」で読売文学賞受賞。63年、「韃靼疾風録」で大佛次郎賞受賞。平成3年、文化功労者。平成5年、文化勲章受章。平成8(1996)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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レアル
50
対談集。司馬氏の古代史観を読めるのはエッセイか対談本くらいなので、日本という枠内だけでなく近隣アジアを踏まえて対談した林屋辰三郎氏との対談が私の中では一番興味深い。「鎌倉武士」を成り立ちから描いた永井路子氏との対談も読んでいて面白い。最近源氏絡みの本や、彼女の鎌倉初期を舞台とした作品も読んだばかりなので、そのバック背景の成り立ちを読めたのが偶然とはいえ有難い。他の人との対談は以前に司馬氏の本で既読のものばかりなので懐かしく読んだ。それにしてもこのシリーズ読み応えあるなぁ。残り9巻をじっくりと楽しみたい。2018/09/05
優希
43
古代への史観から、原点を見ているようでした。対談でないと気づけないことが多々あり、興味深かったです。2022/05/05
金吾
28
東日本と西日本の視点、鎌倉時代以前の評価はなかなか興味深いものがありました。対談集は人による部分がありますが、永井さんやライシャワーさんとの対談は面白かったです。2022/02/13
時代
17
ライシャワー氏との対談が非常に面白かった。鎌倉武士の興りについても大変良いです。あと、司馬さんと湯川先生。たまりません◯2020/01/20
aponchan
13
立て続けに司馬遼太郎氏の作品を読んでいるが、対談集がこれほど面白いとは思わなかった。全10冊ということなので、少しずつ読んでみたいと思う。日本の歴史における豊臣秀吉評価は、自分の中でも高まっていたが、鎌倉時代や室町時代の評価に関しては東西で見方が違う等々、非常に面白い。もっと早く読めば良かった。2019/07/12