文春文庫<br> 水滴

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文春文庫
水滴

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  • サイズ 文庫判/ページ数 181p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167649012
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

徳正の右足が突然冬瓜のように膨れ始め、親指の先から水が噴き出したのは六月半ばだった。それから夜毎、徳正のベッドを男たちの亡霊が訪れ、滴る水に口をつける。五十年前の沖縄戦で、壕に置き去りにされた兵士たちだった…。沖縄の風土から生まれた芥川賞受賞作に、「風音」「オキナワン・ブック・レヴュー」を併録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

164
第117回(平成9年度上半期) 芥川賞受賞。 選評に「すぐれて沖縄的で 現代的」とあり、ある意味 沖縄の過去と現代を描いた 本なのかもしれない。 徳正の右足が腫れ上がり、 吹き出た「水」は何を 意味するのか…沖縄に 残る戦争の影を、50年来の 後ろめたさを、「水」を 通して描く、そんな話だった。2014/07/05

kaizen@名古屋de朝活読書会

124
芥川賞】沖縄の戦後。徳正の足に溜まる水。蘇る戦争の記憶。明るくないという点で芥川賞らしい作品。最後まで明確に著者の意図を追い切れていない。2014/08/24

ダイ@2019.11.2~一時休止

94
デビュー作。短編集。表題作はSF設定?の芥川賞作品です。風音は長編の方を先に読んだけど長編化するときにかなり改善されてるなって感じた。ブックレビューはただの悪乗り?。2017/05/12

こばまり

44
マジックリアリズムにしたたか酔う。このような戦争文学もあるのだと、20年前の作品に新鮮味を覚える。もっと読んでみたい。併録のオキナワン・ブック・レビューは、筆者の意図に気付くまで大いに戸惑う。2017/06/10

翔亀

42
【沖縄51】1997年の芥川賞。又吉永喜に続きウチナーンチュ(沖縄の人)の受賞が続く。こちらも舞台は沖縄だ。ウチナーンチュが沖縄を舞台の小説を書くのが当然とは簡単には言えないかもしれない。どこでもいいが、例えば福島の人が福島を舞台とする小説ばかりを書くだろうか。原発文学はあるかもしれないが、福島文学はあり得ない。やはり沖縄文学という固有のものがあるように感じる。しかし沖縄にもいろいろある。■又吉永喜の沖縄が風土としたら、目取真俊の沖縄は歴史だ。少なくとも本作では沖縄戦の意味が問われる。話は民話というか↓2022/01/08

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