内容説明
昭和24年夏、ホンダの創業者、本田宗一郎と藤沢武夫は出会った。ふたりは“二人羽織”の経営で度重なる危機を乗り越え、ホンダを世界企業へと導く。やがて“ホンダの子供たち”に経営のバトンが渡り、自動車業界も変革のときを迎える―。大宅賞受賞の名作『ホンダ神話―教祖のなき後で』が増補のうえ二分冊で新たに登場。
目次
第1章 二人羽織
第2章 抱き合い心中
第3章 凡庸の団結
第4章 ドンの重し
第5章 万物流転の法則
著者等紹介
佐藤正明[サトウマサアキ]
ノンフィクション作家。1944(昭和19)年、山形市生まれ。日本経済新聞社編集局産業部記者、産業部長、編集局長付編集委員、日経BP社専務取締役などを歴任。82年10月、「トヨタ・GM提携交渉に関する特報」で新聞協会賞(編集部門)受賞。96年、『ホンダ神話 教祖のなき後で』で第27回大宅壮一ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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手押し戦車
9
軍事力と外交力は両輪でありこのバランスがとれている時に国は安定する。優秀な経営者でもいずれ退の決断がいる。トップに立つ時は周囲の推薦や得るが退きは自ら決断しなければならない。人は等しく時間を過ごし老いて精神力も最盛期を過ぎると陰りを見せる。万物流転の法則でどんな富も権力も必ず滅びる時が来る。経営者は一歩先を照ら二歩先を語り三歩先を見つめる。絆とは相方なくして自分なし位の二人三脚人生を賭ける仲間を信頼し続ける事だ。良い参謀には良い番頭がいてお互い強みを伸ばし不得意分野を強みで中和し続ける事こそ信頼の証だ2014/10/26
夢仙人
1
ホンダの戦後の躍進には藤沢氏の力があったことがよくわかる。自分を殺して本田を傀儡にして会社を躍進させる手法は素晴らしい。その後の社長人事も面白い。2015/05/25
SS
1
「日産その栄光…」とならぶ三部作。トヨタを三国志の魏に比すると、Nは蜀、独自性のホンダはまさしく呉。あと、神話は伝説となりさいごは寓話に堕する。2014/04/06
k
1
「“不世出の天才”であり、強烈な信念を持っていた宗一郎でも、盟友と“子供たち”の造反を食い止めることは出来なかった。技術者としての本田宗一郎の生命は、この瞬間終わった。同時に藤沢は宗一郎の後継社長になる芽も自ら摘んだ」。 「本田神話」のシナリオを作ったホンダの共同経営者藤沢武夫。神話とは違うリアルなホンダを知ることが出来る1冊です。2012/01/02
りゅう
1
本田宗一郎が主人公の話かと思って読んでみたけど、ホンダという会社の歴史をたどった内容だった。ホンダ以外にも戦後の自動車産業でどういうことがあったかなどが書いてあって面白かった。戦後にできた小さな会社が大企業になってくさまは、まさにホンダ神話と呼ぶにふさわしい。この本を読んでホンダを見る目が少し変わった。2010/05/12