内容説明
女子プロレス界きっての強者・火渡抄子。人は彼女を「ファイアボール」と呼ぶ。火渡に憧れ入門し、付き人になった近田。仲の良かった同期・与謝野の活躍を前に、自分の限界が頭をかすめる。そんな折、火渡が付き人を替えると言い出した。近田は、自分にどうケジメをつけるのか。女の荒ぶる魂を描いたシリーズ完結篇となる連作短篇集。
著者等紹介
桐野夏生［キリノナツオ］
昭和２６（１９５１）年、金沢生れ。成蹊大学法学部卒。会社員を経て、平成５年、女探偵村野ミロが主人公の「顔に降りかかる雨」で第３９回江戸川乱歩賞受賞。平成１０年、「ＯＵＴ」で日本推理作家協会賞、平成１１年、「柔らかな頬」で直木賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ～ 1件／全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
77
「・・・お前、こっそりじゃなくて、こう言えよ。ここだけの内緒の話だから誰にも言うな、と。そしたら、絶対にすぐ広まるから（ｐ191）」。これには思わず膝を打って笑ってしまいました。確かにそうですよね。「誰にも言うな」っていう話は絶対広まりますよね（ｗｗｗ）。2021/09/12
ehirano1
65
ファイアボール・ブルースの続編があるとは何とも嬉しい限りです。桐野さんの真骨頂である人間関係と葛藤についての心臓鷲掴み系がソフトに描かれていました。エンディングも良かったと思いました。今度は男子マット界についても書いていただけないかなぁ・・・。2018/09/15
Yuna Ioki☆
44
1109-312-9 前作に続いて桐野夏生氏っぽくない感じ。人生諦めることも大事なのよね（笑）2015/08/06
James Hayashi
18
連作短編集。好き嫌いは別にして、本人の才能の有無を問い、自分の進路に決断を出す様子に一概のものを感ずる。ここではそれが女子プロレスの世界であったが、著者のテイストを感じた。2015/07/25
crazy cool joe
18
ストーリーが直接繋がらないというかパラレルワールド？好きなことで食べていくというのはやっぱり大変。自分は前に舞台の世界にいたけどレスラーって役者と似ているところがあるなと思った。地下だのあとがきがぐっと来ました。面白かった。2015/07/13
