文春文庫<br> エリザベート〈下〉―ハプスブルク家最後の皇女

電子版価格
¥719
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

文春文庫
エリザベート〈下〉―ハプスブルク家最後の皇女

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 397p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167574048
  • NDC分類 288.493
  • Cコード C0195

内容説明

一九三八年、ドイツ軍はついにオーストリアに侵攻。ナチスに蹂躙され、レジスタンス運動に参加を決意するエリザベートは、息つく暇もなく、スターリンの嵐に翻弄される。「中欧」の三姉妹都市、ウィーン、プラハ、ブダペストの動乱と悲劇を浮かび上がらせた二十世紀の一大叙事詩が完結する。

目次

第3部 晩秋―激流のドナウ河(ドイツ軍ウィーン占領;喪服の抗議;フロイト亡命;チェコスロヴァキア崩壊;第二次大戦へ―子供の死 ほか)
第4部 厳冬―木枯し吹くブダペスト(正式の結婚届;ドイツ分断;「第三の男」;オーストリア中立構想;国家条約合意 ほか)

著者等紹介

塚本哲也[ツカモトテツヤ]
昭和4(1929)年、群馬県に生れる。東大経済学部卒。毎日新聞ウィーン支局長、プラハ支局長、ボン支局長、論説委員、防衛大学校図書館長・教授、東洋英和女学院大学学長などをへて、現在、作家。オーストリア共和国文化功労勲章、オーストリア共和国有効大栄誉銀章、毎日新聞連載「学者の森」(共同執筆)で日本新聞協会賞を受賞。著書に『ガンと戦った昭和史 塚本憲甫と医師たち』(第8回講談社ノンフィクション賞受賞)『エリザベート ハプスブルク家最後の皇女』(第24回大宅賞受賞)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aoko

5
ナチスの支配からエリザベートの死まで。このころになると資料がたくさんあるせいか、中欧・東欧の社会情勢がとても詳しく書かれ、エリザベートの生活が振り回されていたことがよく分かる。ハプスブルク家の莫大な財産の大部分を子供に相続させるのではなく、国に寄付したのは、帝国がなくなってからもその存在を愛した彼女だったからできたんだろうな、と思う。2021/06/27

リトル★ダック

3
最後の伴侶、社会民主党のペツネックと寄り添った人生が基軸になります。王党派からは「貧農と結婚」と蔑まれていたようですが、この人があわやソビエト連邦の渦に飲み込まれそうなオーストリアを救ったといっても過言ではないと思います。また、第二次世界大戦中、ゲシュタポの目をかいくぐって、社会民主党の人たちを国外に逃す手助けをしたなんて、なんて聡明な方だったのでしょうか。晩年はリウマチに悩まされたとか。私も同じ病気なので、さらに共感。2023/09/02

merci

3
☆☆☆☆中欧の名門ハプスブルク家の崩壊を通じて、2つの世界大戦の歴史を学べる名作。2023/08/27

yumin

3
激動の時代を 皇女という立場ながら、王位継承権を捨て 自分の意思と考えを貫き通した人生。相変わらず、ソ連、共産思想は信用が出来ない。ヒットラーのドイツもご存じの通りとんでもない。広大な領土を持つオーストリア=ハンガリー帝国から弱小国となり、ドイツ、ソ連に挟まれ第2次大戦後 大変な時代を生き抜いた。それでも一般市民よりは恵まれていたと思う。一度の結婚の失敗や、愛人と言われた人もいたが、2度目の結婚は幸せだったと思う。2018/05/03

sherbets

2
面白かった。個人史と歴史のバランスよく、上下を一気に読めました。一生でこれほどの体制変化と動乱を体験することに驚くとともに、それは過去だからこそと思えない、普遍的な、国や民族の問題を包含してると感じました。2019/02/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/368612
  • ご注意事項