内容説明
本を読むことは、いい面もあるし悪い面もある。いい面は、それなりに時間や思考の節約になることである。他人の忠告を聞く、あるいは教えを受けるからである。悪い面は現物から学べないことである。だから虫のことは虫に聞きながら、本を読んで他人の興味を知る。これはたいへん具合がよろしい。
目次
女ざかり(女ざかり;うわさの遠近法;盆栽老人とその周辺;コンピュータ社会と漢字 ほか)
ガラス病(世界のクワガタムシ大図鑑;常温核融合;疲労と読書;ピエタ ほか)
ミステリーと倫理(ニューヨークの本屋;退屈な現実とアフリカ;大仏次郎敗戦日記;アメリカ社会の二重性 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クナコ
11
初読。著者作は「バカの壁」既読。著者はどのような本を読んで何を考えるのだろうと思い手に取った。幅広く、固い。読後考察が「脳化」や「思想」「現代日本」など著者の強く主張したいことと絡んでくると、途端にこちらの理解が追いつかなくなる。著者の気分転換的作品の項や90年代当時の時事に絡めた項は比較的理解しやすく楽しめた。結論として、著者と私の本の趣味がまるで合わないことがわかった。本書一冊に対して私の既読本は0、既知本は米国エンタメ小説のみだった。どこか悔しいが、本書を読んで読みたいと思えた本も数冊にとどまる。2020/02/20
てくてく
5
書評集。読書の幅が広いところ、海外ミステリが好きなところが楽しかった。また、出張の際に楽しむための本の選び方、その結果、ひたすら重くなる鞄、そして壊れる鞄、というあたりには同感。壊れるところまではいかないまでも、確かに私の鞄も本で重くなりがちだ。2015/09/11
go
1
寝る前によく読んだ。ちょっと内容が難しいのは文學界の連載だからかな2018/04/10
くらーく
1
<個>の誕生で、ユダヤ、キリスト、イスラム教と仏教の事で、著者の考えが記述されているが、同感。そういわれれば、その通りだと思います。この章も含め、著者の考え方には同意するところが多い。ただ、今の世の中はちょっと先鋭的で、叩かれそうな意見も多いかな。15年ほどで、空気が変わった気がする。2015/04/04
おらひらお
1
2001年初版。『文學界』に連載された読書日記の文庫化。海外ミステリーが多いことが特徴なんですが、ほとんど読んだことがないものばかりなのが残念でした。移動時間を活用した読書のようです。電車通勤が羨ましい・・・。2014/12/09