内容説明
子供の頃から仲のよかった四人の幼なじみがともに青春時代を過ごして社会に出る。だが、その中の二人は裏社会に足を踏み入れて、やがて血で血を洗う抗争劇が…美しい釜山の風景を舞台に、瑞々しい映像とアクションで四人の友情物語を描き、「シュリ」「JSA」が持つ韓国映画のすべての興行記録を塗り替えたメガヒットの原作。
著者等紹介
郭〓沢[クァクキョンテク]
1966年生まれ。95年、ニューヨーク大学映画科を卒業。95年の短編映画『ヨンチャンの物語』を皮切りに、97年『オクスタン』、98年『ドクターK』、2001年『友へ チング』などの監督を務める。ソウル在住
金重明[キムチュンミョン]
1956年東京生まれ。97年に「算学武芸帳」で第8回朝日新人文学賞を受賞
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
63
最近、韓国映画に嵌りつつあるのでそのジャンルの映画のノベライズはどんなものかと気になって。監督の半自伝的映画。まず、ページを繰る度に登場人物の韓国語での呼び方が記されているのが有難い。だが、子供たちの血が流れる程の殴り合いという名の戯れ合いなど、子役にも容赦ない演技も入れる所は流石、韓国映画。そして極道と男の義とケジメ、敬意と葛藤と共に、異常なまでの学歴社会と教師への生徒への血が流れるまでの体罰、麻薬汚染の恐ろしさ、盧泰愚大統領時の浄化活動の苛烈さ、賄賂による処遇などの暗部も余すことなく、描いている。2017/06/09
酩酊斉案山子
1
翻訳者の金重明さんは在日なので生活感覚は日本人とあまり変わらず、それ故かなぜ本作の映画版が韓国で空前のヒットになったか分からなかったと素直に書いておられるが、自分も読みながら同じ感想を抱いていた。金さんは韓国人の情(チヨン)を描いていると分析されている。なるほどストーリーを追うとどことなくチグハグで、半自伝的な作品とはいえ小説としてはちょっとないだろと思ったが、全体としての起承転結が問題なのではなく情を描く象徴的な場面の連続と解釈すれば腑に落ちる。情とノスタルジーの韓国。何とか理解してえな。2020/12/21
hakofugu
0
★★★☆☆2014/08/22
7H
0
友情を題材にした青春小説かと思ったら、ヤクザの抗争を主とした反社小説だった。どの国でもこういう時代を経てきて今があるのかもしれないが、主人公も含め犯罪行為が目にあまり、そんなものに友情を感じる主人公にも不快。虚構だったらまだ楽しめたのに。2022/11/18