内容説明
「白樺派」はかねてから“能天気な理想主義者”の代名詞であった。いまや完全に忘れ去られ、顧みる人すらいない。しかし、と著者はいう。武者小路実篤は一時代の革命者であり、志賀直哉は最先端思潮の体現者だったのだ、と。「新しき村」運動を軸に、大衆化に向かう近代史上の一大画期を描き出す渾身の力作評論。
目次
明治十五年以後生まれの青年
「改造」への衝動
女たちの「大正」
学習院という空間
「友情」のコスモポリタニズム
シベリア出兵と日本社会の変質
彼らが思った「美しい町」
或る青年たちの夢
「大水路」の建設
夫、父、家長としての志賀直哉
実篤、村を去る
ものみな「歴史」となる
著者等紹介
関川夏央[セキカワナツオ]
1949年、新潟県生れ。上智大学外国語学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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